「骨盤」の役割とは

「骨盤」とは一体、何なのだろうか。人体の上肢と下肢の中心に位置する骨盤は下部で体を支え、上部で脊柱を通じて脳を支える。それだけでなく、臓器の受け皿としての役割、2足歩行を支える役割、座る時の体全体の台座としての役割などがある。

「骨盤」がゆがめば、どのような影響があるのだろうか。

(1)パフォーマンス低下

骨盤のゆがみは骨盤本来の動きが制限されることに加え、骨盤周辺の筋力バランスも崩れる。

それにより骨盤周辺筋で萎縮する箇所が生まれ、骨盤の柔軟性の低下及び筋力低下を引き起こす。

そして、骨盤の周辺筋の筋力低下は下腹部に力が入りにくくなるため、下半身の不安定要素につながる(O脚、X脚も骨盤のゆがみと筋力低下が影響)。

そのため、下半身の運動で筋肉量を増やそうとしても、下半身自体が活性化されておらず、「引き締まらない、より太くなる」という状態を引き起こし、ゆがんだ骨盤が筋肉の衰えを助長する悪循環に陥る。

(2)健康面への影響

下半身が不安定になれば、上半身も不安定で猫背やそり腰になりやすく、背中、胸の筋肉が動かしにくくなる。

それに加え、骨盤の前面にあるインナーマッスル(恥骨、座骨、尾骨についている筋肉)は骨盤を支える役割と、内臓の位置を保つ役割(ぼうこう、子宮、直腸を支える)があるため、骨盤のゆがみなどで筋力が低下すると内臓全体が下がりやすくなる。

内臓は本来の位置にあれば活発に働くが、内臓が下がると働きが悪くなり、内臓全体も冷たくなる。

体から熱を発生しにくいこの症状は体温が下がりやすく、内臓に近いウエスト周りの脂肪蓄積になる。

体の興奮状態になる交感神経優位になり、内臓機能が良くなる副交感神経優位のリラックス状態にならず、消化機能にも影響が出てくる。消化機能が低下すれば代謝が悪くなり、脂肪がつきやすく、太りやすくなる。

宮崎氏 以上の点から、骨盤へのアプローチはパフォーマンスアップ、健康管理、ストレス解消、成長期における発達サポートに必要と考えられます。

骨盤編の第1回では、基礎トレーニングを紹介したが、第2回ではそれぞれのゆがみに対応したトレーニングを特集する。【取材・構成=久保賢吾】

◆宮崎裕樹(みやざき・ひろき) 1970年(昭45)3月26日、千葉県生まれ。23歳の時にオリンピック委員会強化フィジカルコーチに就任。その後、K-1、野球、サッカー、テニス、ラグビーなど数多くの選手のトレーナーを務める。小学生を対象とした水泳、陸上、サッカー教室。発達障がい児、発達障がい者の運動教室を都内、神奈川県内で開催する。株式会社「TEAM-MIYAZAKI」、NPO法人「日本フィジカルサポート」の代表を務める。

(2019年8月28日、ニッカンスポーツ・コム掲載)