はだし歩きで土踏まず形成

言葉だけでは難しく思えるが、具体例にイメージできたのではないだろうか。実は、子供のころに経験する遊びの中に、知らないうちに「触覚を鍛える」運動が含まれる。例えば、砂遊びや水遊びなどである。「これらの遊びは、砂や水に触れることによって、手や皮膚にかかる感覚が刺激を与えています」。

さらに、はだしで歩くことを推奨した。「足の裏を刺激することで土踏まずが形成されます。指先を使って歩ければ、足の踏ん張りや足を器用に使えることにつながります」。外ではケガの危険性があるが、家の中で青竹を踏ませたり、シートの上に小石をばらまき、その上を歩かせることも足の裏への刺激に効果的である。

手押し車で手のひら刺激

ここまでは個々で実施する「触覚」を鍛える運動に特化したが、最後に野球チームやサッカーチームの指導者に向け、ワンポイントアドバイスを送った。

宮崎氏　チームでウオーミングアップする時、四つんばいでの『手押し車』を入れるといいと思います。地面に手をつく動作なので、『触覚』を刺激する運動になります。【取材・構成＝久保賢吾】

◆宮崎裕樹（みやざき・ひろき）1970年（昭45）3月26日、千葉県生まれ。23歳の時にオリンピック委員会強化フィジカルコーチに就任。その後独立し、事務所を立ち上げる。K－1、ボクシング、ゴルフ、野球、サッカー、テニス、ラグビー、バレーボール、競輪など数多くの選手のトレーナーを務める。17年からは「Mr．Children」のツアーに同行し、トレーニングや体をケアする。また、小学生を対象とした水泳、陸上、サッカー教室。発達障がい児、発達障がい者の運動教室を都内、神奈川県内で開催する。株式会社「TEAM－MIYAZAKI」、NPO法人「日本フィジカルサポート」の代表を務める。

（2019年8月21日、ニッカンスポーツ・コム掲載）