全国高校野球選手権(6日開幕、甲子園球場)の県代表・日本文理(2年ぶり10度目出場)は31日、宿舎のある大阪に入る。30日は自校での最後の練習をした。

エース南隼人投手(3年)はブルペンで70球ほど投げ込み、地元での調整を終えた。県大会5試合に登板して防御率0・60の安定した投球を引き続き甲子園で披露する手応えを得た。日本文理は8月1日、甲子園練習に臨む。組み合わせ抽選は3日に行われる。

ブルペンで甲子園入り前の最後の投球練習をする南(撮影・斎藤慎一郎)
ブルペンで甲子園入り前の最後の投球練習をする南(撮影・斎藤慎一郎)

視線の先にあるのは甲子園のマウンドだけだ。南は前向きに最後の投球練習を行った。慣れ親しんだブルペンで70球。直球、スライダー、カーブ、カットボール。持ち球すべてを投げ込んだ。

慣れ親しんだブルペンで投げ終わって感じた。「最後なんだな」。ただ感傷に浸っているわけではない。「これから始まる、という感じ」。自校での練習終了は本格的に甲子園に乗り込むことを意味する。

練習後、ベンチ入りメンバーは出発前のミーティングを行う(撮影・斎藤慎一郎)
練習後、ベンチ入りメンバーは出発前のミーティングを行う(撮影・斎藤慎一郎)

一昨年の甲子園出場時、ベンチ入りメンバーはバスで甲子園に向かった。今年は新幹線。移動のストレスはない。8月1日には甲子園で練習する。憧れのマウンドが待つ。「そこに立って実感が湧くと思う」。

冷房が効いた室内に長くいない

24日の県大会優勝後も、気を抜かずに調子を維持してきた。「大会期間中と同じ生活リズムを保った」。午後11時までに就寝し、午前6時に起床。冷房が効いた室内に長くいないようにするなど、肩、ひじのケアと同時に甲子園の暑さ対策を兼ねて行ってきた。

準備を整え、ターゲットも定めた。「奥川君と投げ合いたい」。プロ注目の剛腕、星稜(石川)の奥川恭伸投手(3年)との対戦を希望した。投球は昨秋の北信越大会で見た。「素晴らしいボールを投げる」と目を見張った。それでも気後れはない。大会屈指の好投手と堂々と渡り合うイメージがある。

甲子園のマウンドに立つことは楽しみ以外の何ものでもない。「気持ちが引き締まる」と、いい緊張感を持つ。「1戦1戦、しっかり戦って、その結果が全国制覇になれば」。目標を再確認した。

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