提言(7)プロ、アマ全ての野球統括組織が欲しい

 野球界はいろんな団体がありすぎで、どこに何を話したらいいのか、分からない時がある。もっと大局的に、日本の野球界を、どう良くするのかを共通に考える体制の充実を野球界自らが図って欲しい。

サッカー界には、プロアマ全てを統括する日本サッカー協会がある。その違いから野球界への希望を述べたが、現状、高校野球を変えていくには、日本高野連との連携が不可欠だ。

高校野球界が抱える現状について、熱い思いを語る鈴木大地スポーツ庁長官(撮影・小沢裕)
高校野球界が抱える現状について、熱い思いを語る鈴木大地スポーツ庁長官(撮影・小沢裕)

提言(8)日本高野連は多様な意見に耳を傾けて、柔軟に検討して欲しい

 高野連の皆さんと話はしている。お願いしたいのは、意思決定において、同じ考えの人たちの集まりであって欲しくないということ。いろんな思いがある中、難しい面もあると思うが、生徒第一主義を貫徹し、時代の変革とともに絶えず改革を進めて欲しい。

最後に昨夏甲子園を沸かせた金足農・吉田輝星(現日本ハム)を引き合いに、メディアの責任にも触れ、締めくくった。

 「疲れ切って打たれる姿に涙するのが日本人の国民性」と言う人がいる。その時点で、もうスポーツじゃない。ドラマだ。何百球の熱投を称賛するのは、吉田君を最後にしよう。そういう記事を書いてもいいが、その選手のその後の人生に責任を持てますか? 大事なのは、プレーヤーズファースト、勝利至上主義ではなく、勝利主義です。(終わり)

(2019年6月27日、ニッカンスポーツ・コム掲載)