選手たちが飽きないように

授業が終わると、銚子商のマネジャーは補食の準備を始める。8升のお米を研いで炊飯ジャーにセット。練習の合間に、どんぶり1杯のご飯、卵、納豆、キムチ、お茶漬け、ふりかけ、味付けのりが並び、選手たちはその日の好みをご飯のお供に食べる。補食は月曜日から金曜日。週末も合宿や遠征がなければ行っている。「選手たちが飽きないように」と月曜日は「お肉の日」。焼き肉丼や、親子丼など工夫。今年から目標体重が張り出され、達成できていない選手にはどんぶり飯に加え、市販のパスタやラーメンを用意する。

ある月曜日の補食。ひき肉と野菜の坦々味噌スープに、差し入れのさくらんぼとスイカ。豪華な補食で1週間をスタートさせる
ある月曜日の補食。ひき肉と野菜の坦々味噌スープに、差し入れのさくらんぼとスイカ。豪華な補食で1週間をスタートさせる

またある日は、大盛りの牛丼。タンパク質が足りていないので、肉の上に、卵をかけて食べるのだとか
またある日は、大盛りの牛丼。タンパク質が足りていないので、肉の上に、卵をかけて食べるのだとか

経費を抑えるため、ラーメンのスープは市販の鶏がらスープにみそ、塩、しょうゆ、調味料を加え自分たちで作る力の入れよう。マネジャーの加瀬葵さん(2年)は「選手たちは一生懸命練習している。私たちも力になりたい。毎日大変ですが、選手たちは『いつもありがとう』と言ってくれるのでやりがいを感じます」と笑顔で話す。もともと引っ込み思案だったという加瀬さんも、選手と会話を重ね、補食作りに力を入れることで、積極的に変わってきた。「1年前の自分とは全然違う。自身も成長していると思います」。沢田監督も「うちは本当にマネジャーの力が大きい。よくやってくれています」とその活躍に目を細める。選手とマネジャー。補食を通し日々成長する姿があった。【保坂淑子】

◆千葉県立銚子商業高校 1900年(明33)千葉県銚子中学として開校。教育目標に質実剛健・進取創造・親切奉仕を掲げる。本校舎の所在地は銚子市台町1781。鈴木智校長。野球部の甲子園出場は過去、春8回(準優勝1回)夏12回(優勝、準優勝各1回)。強打が特長で”黒潮打線”と呼ばれた。主なOBに木樽正明(元ロッテ)、篠塚和典(元巨人)、宇野勝(元中日)。

(2019年6月24日付日刊スポーツ紙面掲載)