昨秋は地区予選が背番号14、全道大会が13でベンチ入りも出番なし。168センチと小柄な近藤昇は、パワーが課題だった。「力がなく、打球を飛ばそうとすると力んで逆に飛ばなかった。少しリラックスしても飛ばせるようにするには、体を大きくしないといけない」。冬場に意を決し、おにぎり4個を毎日持参し「おなかがすく前に食べるといいと聞いたので」と常に胃袋を満たしておく“空腹ゼロ作戦”で体重を4キロ増の72キロに上げた。筋力も並行して上げ「打球の勢いが一気に変わった」。今春いきなり7割の高打率で全道切符をもたらした。

北海対札幌光星 7回コールド勝ちで札幌光星の近藤昇(中央)と登坂がハイタッチする(撮影・永野高輔)
北海対札幌光星 7回コールド勝ちで札幌光星の近藤昇(中央)と登坂がハイタッチする(撮影・永野高輔)

15日の代表決定戦は王者札幌大谷と対戦する。昨夏の南北海道大会初戦は9-2で破っており、道内で最後に土をつけたのが札幌光星だ。最寄り駅は、同じ札幌市営地下鉄東区役所前駅。「顔見知りの札幌大谷の選手とよくすれ違う。今は向こうがすごく輝いて見えて悔しい。代表決定戦で勝って、夏に向けて嫌なイメージを植え付けたい」。10カ月ぶりの“最寄り駅ダービー”を制し、勢いをつける。【永野高輔】

(2019年5月14日、ニッカンスポーツ・コム掲載)