全国高校ラグビーフットボール大会で6大会連続4強入りした東福岡(福岡)が5日、準決勝で同じくAシードの桐蔭学園(神奈川)と対戦する。2大会ぶりの優勝を目指し、選抜大会(3月)の決勝トーナメント1回戦で敗れた強豪に、リベンジを果たすつもりだ。

長崎北陽台対東福岡 後半31分、味方のゴール前へのキックのボールを拾いそのままトライする東福岡WTB志気(撮影・清水貴仁)

前回のコラムでは、主力選手たちの「自立した食育」を紹介した。年2回のスポーツ栄養セミナーで学んだ食事を保護者と一体となって実践し、強い体作りを行っているというものだった。

登録メンバー6人が寮生活

しかし、名門で知られる東福岡は、自宅生ばかりではない。登録メンバー30人中6人が県外出身者で、学校から徒歩圏の学生寮「修学館」で寮生活を送っている。寮ではもちろん、朝、夜にはバランスの良い食事が食べられるようになっているが、ラグビー部専用の寮ではないため、運動量の多いラガーマンにとってはおかずの量が不足してしまうことがある。そこで、目標体重の数値が高い選手たちは知恵を絞り、工夫をこらして足りない分を自分たちで補っている。

その一例が、実家からのクール便による差し入れだ。保護者の協力を仰ぎ、選手の間で自然と伝統となっているもので、故郷から定期的に届く「母の味」が、選手たちの体作りのモチベーションになっている。

主将として121人の部員をまとめる福井翔主将。寮生活を送りながら食育にも工夫をこらしている

3回戦の八幡工戦でモールから先制トライを決めたHO福井翔主将(3年)も、実家のある京都から焼肉などのおかずを送ってもらっている。「塩コショウで味付けしただけのシンプルな肉ですが、好物なんです。たまに、プルコギやステーキを入れてくれるときもあります」。ジッパー付き保存袋に入った冷凍おかずを冷蔵庫の冷凍室にストックして、食べたいときに電子レンジで温めて食べている。ご飯は基本的に食べ放題のため、福井主将は「おかずが増えると、ご飯も3、4杯は食べられます」と笑顔を見せた。

「地味ですけど。これでも大丈夫ッスか?」と言いながら、福井主将は実家から送ってもらった焼肉の写真を見せてくれた

電子レンジをフル活用「男メシ」

また、コンビニでも足りない食品を購入。そのまま食べたり、一手間加えてアレンジメニューにしたりしている。福井主将が得意なのは「男メシセット」。価格の安いモヤシやキノコを購入し、電子レンジで温めて調理した一品を加えたメニューだ。「キノコが好きなので温野菜にしたり、モヤシに卵を混ぜて“チン”してポン酢をかけたりします」。寮は火を使った調理はできないが、電子レンジをフル活用。必要な栄養素を摂れるよう、栄養面でもしっかりと自己管理ができている。

福井主将はキノコやモヤシなどをコンビニで購入し、1品をプラスする

肉入りカレー、アジフライのメニューに、タンパク質をとるため、豆乳を加えた

この日はコンビニで購入したオレンジジュースと辛子明太子と納豆をプラス

冷凍おにぎりとギリシャヨーグルト

長崎県出身で、50メートル走6秒0の俊足CTB原口虎太郎(3年)も「おばあちゃんから冷凍おにぎりを送ってもらっています」とクール便を活用する1人。筋力アップには「タンパク質が2倍取れるギリシャヨーグルトがいいですよ」と、コンビニでは通常のヨーグルトよりもタンパク質が豊富なギリシャヨーグルトを選び、1日5回の補食メニューに加えている。今年の東福岡はハーフ以外のBK全員がベンチプレス100キロ以上を持ち上げるパワーを備えており、182センチ、82キロと細身の原口も、食事とトレーニングで当たりの強さを身に付けた。

準々決勝の長崎北陽台(長崎)戦は、粘りのラグビーで40-12で勝ち切った。藤田雄一郎監督(46)が「前半は我慢し、後半にしっかりと得点を積み重ねられた」と話したように、前半は相手の攻撃をFW陣がしのぎ、後半はBK陣がスピードを生かして4トライを奪った。福井主将が「特出した選手はいないけど、FWとBKが一体となった攻めができる」と自負する今年のチーム。頑張る息子を食で支え続けた家族の期待も背負い、力を発揮するつもりだ。【樫本ゆき】