全日本大学バスケットボール選手権(インカレ、12月10日~16日)で、男子は東海大が5年ぶり5度目の優勝を果たした。原動力は1年生ながら先発出場を続けるガードの大倉颯太。決勝の専大戦ではチームトップの17得点を挙げ、88-70の勝利をけん引した。北陸学院高(石川)時代から注目され、今は寮生活を送る大倉は、野菜嫌いをスムージーで克服しようとしている。【聞き手・青木美帆】

先発ガードとして東海大の優勝に貢献した大倉颯太
先発ガードとして東海大の優勝に貢献した大倉颯太

インカレの前、8月末~11月まで行われた関東大学リーグ戦で東海大は3年ぶり5度目の優勝。大倉は先発ガードとして、優秀選手賞を獲得する活躍を見せた。東海大バスケ部の食事スタイルは以前から、朝は学食、昼は各自自由、夜は提携している定食店でとるようになっている。

-2カ月に及ぶリーグ戦は初体験。コンディションはうまく保てたか

大倉 特に9月は水土日と、週に3日試合で大変でした。体重も減ってしまいました。

-しっかり食事をとれる環境でも体重が減ってしまった

大倉 試合の前後はあまりガッツリしたものを食べられないタイプなんです。高校時代から、試合前の1週間は脂分の多いものをとらないようにしていたんですが、これだけ試合が続くとさすがに体がもたなくて…。

-食事で疲労回復ができなかった

大倉 夕飯を、自分の都合で変えてもらうわけにはいかないので、申し訳ないと思いながら揚げ物の衣をはがして食べたり、チームメートにおすそ分けしたり。その分、炭水化物はしっかりとるようにしていましたが、肉類をたくさん食べて疲労回復というわけにはいかず、きつかったです。

北陸学院時代の2016年ウインターカップ全国高校バスケットボール選手権で、大倉はシュートを量産した
北陸学院時代の2016年ウインターカップ全国高校バスケットボール選手権で、大倉はシュートを量産した

-高校時代に食事面で気を付けていたことは

大倉 いろいろやっていました。雑穀米も食べていましたが、弟が嫌いだったので、白米と交互でしたけど(笑)。野菜が好きでないので、ローストビーフで野菜を巻いてもらうなど、母にはいろいろ工夫してもらっていました。

-今でも野菜は嫌い?

大倉 そうですね。ただ、知人のすすめで夏頃からグリーンスムージーを飲むようになりました。リンゴ、バナナ、小松菜、ホウレン草、ヨーグルト、カルピスをミキサーで混ぜて、週4回飲んでいます。

-週4回…?

大倉 小松菜とホウレン草を1束ずつ買うと、ちょうどそれくらいでなくなるからです(笑)。

東海大のインカレ中の食事

都内の大田区総合体育館で開催されたインカレ期間中、東海大は会場近くに宿泊することはなく、神奈川県平塚市にある湘南キャンパス付近の選手寮から通い続けた。食事も普段通り、朝食(学食)、昼食(各自)、夕食(提携の定食店)というスタイル。ただ、いつもは各自自由な土日の夕食だけは、別の定食店に提供してもらった。「試合後には疲労回復のために、おにぎりと100%ジュースをとり、その他の食事でも炭水化物を多めにとるように指導しています」とアスレティックトレーナーの佐藤寛輝さんは試合期間中の食事ポイントを話す。日頃からの自己管理、日常のスタイルを変えなかったことも、体調を維持できた要因の1つかもしれない。

◆大倉颯太(おおくら・そうた) 1999年5月28日生まれ。石川県出身。布水中-北陸学院高-東海大。布水中3年時に全国中学大会で優勝。北陸学院高では2年時の2016年に創部初の全国3位(ウインターカップ)に貢献。今秋の関東大学リーグ戦では優秀選手賞を受賞。オフは基本的に寝て過ごす。184cm、79kg。