今年の日本の世相を最も反映し、象徴する食を選ぶ、ぐるなび総研主催「今年の一皿」が6日、発表され、平成最後の発表となる2018年は「鯖(サバ)」に決まった。

サバは、北海道地震や大型の台風など日本列島に災害が多かったこの1年で、防災意識の高まりから缶詰、フリーズドライなど非常食の備蓄の重要性が高まる中、下処理の必要がない、サバ缶、フリーズドライ食品の価値が再評価されての選出となった。

ぐるなび総研主催「今年の一皿」のノミネートワード(撮影・村上幸将)

また、大分の「関サバ」をはじめ、全国に約20種類のブランドさばも展開されており、ブランド力も高まっている。その中、従来のイメージを覆す、洗練された「おしゃれサバ缶」、原料にこだわった「プレミアムサバ缶」などが、美容志向の高い女性に支持されており、デパートやコンビニで売り切れが相次いでいることも評価された。

準大賞には「しびれ料理」が選ばれた。しびれ料理は、6年連続で訪日外国人が過去最高を記録する中、日本人が各国の多様な文化、良さを理解し、マーボー豆腐、担々麺が普及するなど、日本の食文化を大きく進化させたことが評価された。中華料理に使用される花椒(ほわじゃお)の新しい魅力に魅了された日本人が増え“マー活”“しび活”というワードも生まれた。

「今年の一皿」は、1年の世相を反映し象徴する食を選定し、優れた日本の食文化を人々の共通の遺産として記録に残し、保護、継承することを目的に14年からスタートした。飲食店情報サイト「ぐるなび」の掲載店舗50万店が発信する1次情報、1643万人のぐるなび会員らの閲覧履歴などを分析したデータから40ワードを抽出。それらを選択肢として会員にアンケートを実施し、30ワードを選んだ。

その後、75社、122媒体、156人のメディア関係者の審査から4つのワードを選定。その上で(1)流行、話題になったこと(2)その年の社会の動きと関係が深く世相を反映していること(3)食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があることを条件に最終審査、選定した。過去、4回の大賞は以下の通り。

◆14年 ジビエ料理
◆15年 おにぎらず
◆16年 パクチー料理
◆17年 鶏むね肉料理

サバの受賞を受けて登壇した、大日本水産会の白須俊朗会長は「和食が5年前、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に選ばれ、海外から多くの方が来日しています。彼らにとって日本は“魚食の聖地”。もっと魚を食べようという中、救世主になったのがサバ」と、訪日外国人の大きな目的が日本の魚で、その中軸にサバがあることを強調。「漁獲が安定的に伸びている。しっかりした資源管理の結果。持続可能な漁業の優等生です。青魚の中、DHAが多く、消費者の多くの健康志向に支えられ、サバ缶がヒットし、店に置けば売れて消えていく。ツナ缶を抜き、トップの位置を占めています」と、サバ缶の人気が急騰していると力説した。【村上幸将】

(2018年12月6日、ニッカンスポーツ・コム掲載)