<トップアスリートの食事:大崎佑圭>

女子バスケットボールのJX-ENEOSサンフラワーズや、日本代表の主力として活躍した大崎佑圭さん(28)は出産後、アスリートとしてのキャリアをどう考えているのでしょうか。復帰への率直な思い、女性アスリートが置かれている現状を聞きました。【聞き手・青木美帆】

-出産後の復帰について、どう描いていますか

大崎 復帰する気持ちも確かにありますが、明言はしていません。なぜなら、産んだ後どうなるかが分からないからです。子どもが健康に生まれてくるか、授乳や夜泣きで睡眠時間が削られる中でどれだけ体力を戻せるか。また、ママアスリートの大きな障壁になるのが遠征。日本代表ともなれば、長期の海外遠征も求められる中で、どれだけサポート体制を整えられるかも分かりません。簡単に「復帰します」と言うことは、この子にとっても、ファンの方にとっても無責任なことだと思っています。

ただ、産んでみて「いけるかも」「バスケをしているところを子どもに見てほしい」といった思いが出てきたら、どれだけ過酷でも自分で決めた道を貫こうとするんじゃないかと思います。母になると、女性はさらに強くなるという話も聞くので、自分が本当にそうなれるのか、楽しみなところもあるんですよ。

産後について柔らかな表情で語る大崎さん

-バスケットボールに限らず、日本では産後復帰した女性アスリートが多くありません

大崎 産後復帰した選手の前例が少なく、その道筋を思い描くのが難しいからだと思います。海外遠征に行くと、子連れの選手をよく目にします。ベビーシッターのようなサポートする人が帯同していて、体制ができているんですよね。こういう体制が日本でもできれば、女性アスリートの選手寿命も延びていくのではないかと考えています。

「結婚」すら大きなハードル

大崎 結婚と妊娠を経て知ったのは、女性アスリートにとって「出産」どころか「結婚」が大きなハードルだということでした。結婚後も現役を続けることが決まった時、色んな選手から「結婚の道を作ってくれてありがとう!」と言われたんです。私は、夫や周囲の理解もあって深く考えずに現役続行を決めましたが、まだ先の見えない若手選手にとっては、結婚ですら現役を続ける上でも大きな壁なんだと実感しました。

これまで、結婚後も現役を続けられたバスケット選手は多くありませんでした。「結婚してもプレーできる」という可能性を作れたことは大きな一歩でしたし、「妊娠」という次のステップを後輩たちに見せられたことも良かったと思っています。

第84回皇后杯全日本選手権で優勝し喜ぶJX-ENEOSの選手たち。後列中央で右手を挙げているのが大崎さん(2018年1月7日)

-復帰したら、日本では2人目の「ママバスケットボール選手」になります

大崎 チームも「復帰は産んでからゆっくり考えて」と言ってくれています。「練習場の空いている部屋を託児所にして」と冗談混じりで話したら、「いい考え!」と同意してくれました(笑)。おかげで精神的にも余裕をもって毎日を過ごせています。

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