エンゼルス大谷翔平は、食に関しても、向上心と探求心は「規格外」だった。

 プロ4年目から契約を結ぶ株式会社明治の管理栄養士、大前恵氏(50)は、大谷から受けた4つの「規格外」の質問を鮮明に記憶する。大前氏が大谷を担当し始めた16年オフ、ふいに質問を受けた。

インディアンス対エンゼルス 3回表エンゼルス1死、右中間に2打席連続となる11号本塁打を放つエンゼルス大谷=2018年8月3日(撮影・菅敏)
インディアンス対エンゼルス 3回表エンゼルス1死、右中間に2打席連続となる11号本塁打を放つエンゼルス大谷=2018年8月3日(撮影・菅敏)

 大谷 ケトーシスダイエットって、どうですか?

 大前氏は過去に楽天、巨人などを担当。この手の質問の大半は「何ですか?」が普通だったが、「どうですか?」は初めてだった。

 即答できず、すぐに大学や専門家に情報収集。ケトーシスダイエットとは「糖質を制限し、脂質を燃やすこと。脂質を上手に使って、体脂肪を燃やすこと」。その理論は頭に入っていた。それがどうパフォーマンスに影響するか、筋肉量を短期間で増やすためにもっと良い方法はないのか? というデータをそろえた。キャンプが始まる前までは食べ続け、100キロ超え。シーズンが始まる前までにケトーシスダイエットで体重を調整した。

「何ですか?」でなく「どうですか?」

 高度な質問は、12月のハワイへの優勝旅行前にも受けた。

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