そば、うどんで主食増やす

 ビュッフェは、食べて欲しい順に並べてある。まずはサラダバーで、10種類以上の野菜や果物が選べる。次に副菜の小鉢。この日は「五目ひじき」「ほうれん草のナムル」と「鶏レバー」。レバーは20グラムを上限に、ほぼ毎日出されている。

色々な野菜や果物を選べるサラダバー
色々な野菜や果物を選べるサラダバー

 台の中央に置いてあるのが、そばやうどんのバー。「エネルギー消費量が多いラグビー選手は主食量をご飯だけで摂取するのは難しい、主食を2種類以上摂取できるようにど真ん中に置いた」と栄養部門が最もこだわった部分だ。

 選手は、自分でゆがいて盛りつける。季節的に今は「冷やしそば」が人気だという。夕食を一度に食べきれない選手は時間をおいて、後からそばだけ食べるなど、体を大きくするために工夫もしている。

そばをゆがく森島大智選手
そばをゆがく森島大智選手

 主菜は2種類あり、この日は「ハンバーグ」と「赤魚の煮付け」。ハンバーグのソースはデミグラスとおろし、ご飯も白米と玄米があり、体脂肪ダウンを目的とする選手はおろし、玄米を選ぶようだ。納豆、卵、オレンジジュース、麦茶と続き、ヨーグルトはいつでも食べられるよう準備してある。

ラガーマンは「肉」で食べたい

 ラグビー選手の食の傾向として面白い話がある。肉は肉として食べたがり、特に大学生は顕著なのだという。作る側としては、野菜をたくさん食べて欲しい、一度にいろいろな栄養素を摂らせたいと思うと、野菜に肉を混ぜたくなるもの。しかし、肉野菜炒めを作ったとしても「ラグビー選手にとっては野菜炒め」にしかならず、作り手の意図が伝わりづらい。それよりも、目に見える形で「肉」を出した方が「タンパク質→筋力アップ」と意識が高まり、満足度も上がるのだそうだ。

管理栄養士の島寿子さん(左)と調理担当の皆さん
管理栄養士の島寿子さん(左)と調理担当の皆さん

 そんな配慮の下、選手も信頼して食事に取り組んできたことで「明らかにケガをする選手が減った」と島さんは話す。恵まれた環境の中で、食生活改善の効果はしっかりと表れている。

【アスレシピ編集部・飯田みさ代】

新潟米「新之助」がパワーの源

倉庫には新潟から届いた「新之助」が保管されている
倉庫には新潟から届いた「新之助」が保管されている

 食堂で消費されるお米は、1週間に約100キロ。この大量のお米の名前は、新潟米「新之助」。ラグビー部とパートナーシップ協定を結ぶ新潟県から白米と玄米を年間30トンの提供を受けている。大粒できれいなツヤが特徴の新品種。名前の由来は「誠実でしんが強く、かつスタイリッシュな現代的日本男児をイメージした」とあり、品質への自信やブランドとしての意志の強さを表現しているという。それを食べている早大ラグビー部も「現代的日本男児」として大きく育っている。