ロサンゼルスなど大都会の30~40代を中心に、米国で今人気なのが「ミールキット」。1食分の料理に必要な食材、調味料をすべてセットにして宅配してくれるもので、1人あたり1食10ドル(約1150円)前後。作り方も入っており、レストランのような本格的な料理を家庭でも作ることができるとして注目されている。

 そんなミールキット業界に、今年の米アメリカンフットボール(NFL)スーパーボウルを制したスターQB、ニューイングランド・ペイトリオッツのトム・ブレイディが参入する。

今年1月の米スポーツ専門誌「スポーツイラストレーテッド」の表紙を飾ったブレイディ
今年1月の米スポーツ専門誌「スポーツイラストレーテッド」の表紙を飾ったブレイディ

 34-28の大逆転勝利を導き、MVPにも輝いたブレイディは、妻でモデルのジゼル・ブンチェンとともにオーガニック野菜や玄米など全粒穀物を中心とした食生活で、人一倍健康に気をつけていることで有名(「NG食品だらけ、スーパーモデル夫妻の食生活に仰天」参照)。4月からは、ビーガン(完全菜食主義)のミール・キットを販売するパープル・キャロット社と提携し、アスリートの運動能力の向上やパフォーマンス維持を目的として、ブレイディの普段の食事メニューを家庭に届ける事業を始めるという。

 「ブレイディの食事セット」は2人分、週3回の配達で78ドル(約8970円)。すべてグルテンフリーで、タンパク質が豊富に含まれ、精製砂糖の使用を最小限にしている。刻んだブロッコリーなどの緑黄色野菜をトッピングしたラーメンなどユニークなメニューもあり、発売前から話題になっており、ブレイディは「スポーツ選手だけでなく健康になりたい人にもおすすめ」と語っている。【千歳香奈子】

ミールキットとは

 注文した食材は基本的にカットや味付けはされておらず、食材の鮮度の良さを売りにしているものがほとんど。オーガニック食材に特化したものや有名シェフとのコラボレーション、地産地消をコンセプトにローカルフードをメインにしたものなど、現在は100を超える会社が参入している。
 メニューもイタリアンやフレンチからアジア料理まで多種多様で、必要な材料はすべて揃っており、指示されたように調理するだけの手軽さが受けている。1回分の材料だけが送られてくるので、食材が余る心配もなく、エコロジーの面からも人気。家族構成に合わせて人数を選ぶことができ、週3~4回の宅配が基本。