骨折から退院する選手から「骨強化のための栄養素」についてSOSが届きました。復帰できるまで、まだ時間がかかるとのこと。「カルシウムを意識する以外に、何か注意することはありますか」という質問です。

骨を強くするにはバランスのよい食事を基本として、骨の主な構成成分であるカルシウム、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、カルシウムの形成を促進するビタミンKは積極的に摂りたいところです。一方、摂りすぎに注意したい栄養素もあります。

①リン

リンはカルシウムとくっつきやすい性質があるため、大量にリンを摂取すると腸内でカルシウムとくっついて腸管内での吸収が阻害され、そのまま便に混ざって排出されてしまいます。リンを多く含むレトルトや加工食品、清涼飲料水、スナック菓子などの食べ過ぎに注意しましょう。

②塩分

塩分(ナトリウム)は腎臓でろ過され、尿として体外に排出されますが、同時にカルシウムも排出されてしまいます。塩分摂りすぎの生活を続けていると、骨からカルシウムが溶け出し、骨がもろくなります。ラーメンのスープや塩気の多いおつまみ、お菓子類などに注意し、減塩に努めましょう。

③カフェイン、アルコール

カフェインやアルコールは利尿作用があり、たくさん飲みすぎると尿と一緒にカルシウムを排出してしまいます。カフェインを多く含むコーヒ、玉露、紅茶、エネジードリンクなどや、ビール、日本酒、ワインなどのアルコール類は適量をたしなみましょう。

カルシウムをしっかり摂取しても、リン、塩分、カフェイン・アルコールを大量にとると、せっかく摂ったカルシウムが流れ出てしまいます。スナック菓子をたくさん食べたり、ラーメンの汁、うどんやそばのつゆを全部飲んだり、しょうゆやソースなどを大量にかけたりするのは控えた方が良いですね。これは成長期のアスリートだけでなく、骨粗鬆症予防としても同じことがいえます。

今回は人気のヤンニョムチキンにカルシウムたっぷりのチーズを加えた「ヤンニョムチーズチキン」を紹介します。カルシウムが豊富なチーズのまろやかなコクをお楽しみください。

辛さはお好みで調節してください。辛味が苦手な場合は、ケチャップ味にしてもおいしいですよ。

管理栄養士・舘川美貴子