私が指導するバレーボール女子の中学生クラブチームは、8月に和歌山県で行われた第42回全日本6人制クラブカップ女子選手権大会に、神奈川県代表として出場しました。中学生主体のチームが、大人の大会に挑んできました。

大会前に大阪に入り、強豪高校との練習試合を経て公式戦という行程。限られた条件の中で戦うための食事をどう対応するかが課題でしたが、予想以上に選手たちは成長し、自立しており、私は試合のための栄養補給だけに意識を向けることができたのです。

遠征中、試合に備えてしっかり食べた

行きのバスの食事はまとめて買ったコンビニ弁当と補食、大阪では宿泊したユースホステルの食事、移動後はビジネス旅館での食事でした。選手たちには日頃から「好き嫌いを減らし、食べられるものの幅を広げて何でも食べられるように」と指導してきましたが、食べるものに関して誰も不満や文句をもらさず、試合に向けての食事もきちんととれていました。

例えば、幕の内弁当が1つ余ったときは、「シイタケがほしい」「ニンジンがほしい」と選手たちでおかずを分け合って完食。ユースホステルでのビュッフェ形式の食事でも野菜をしっかりとっていましたし、「油脂を使った料理をとりすぎないように」と伝えれば、ちゃんとセーブして、試合前日の夕食では進んでご飯をおかわりする姿もありました。

勝利なくとも善戦、大きな経験

本番の試合では相手も各県の代表であり、中学生だからといって手を抜くことはありません。弱いところを徹底して突かれ、低いブロックとみれば思い切りスパイクを叩き込まれました。

春から皇后杯、クラブ関東大会、そしてこの全国大会へと勝つために技術を上げてきましたが、まだ成長過程の中学生たちは予選2試合で1セットも取れずに敗退しました。勝利は遠かったものの、善戦したと思います。何よりも大きな経験を得ることができました。

本当に強い高校生や大人の強豪チームと同じネット高、5号球で戦ったことで今の力を客観的に知り、自分の立ち位置が正確に分かったことでしょう。少なくとも食事に関しては、アスリートとしての土台が順調にできてきました。この子たちの今後の成長がとても楽しみです。

今回は「スティックブロッコリーとシャインマスカットのサラダ」を紹介します。シャインマスカットは皮ごと食べられる黄緑色のブドウで、少し高級なイメージがありますが、ここ数年でぐっと身近になりました。私の合宿所のある山梨県では露地栽培のものが9月~11月まで旬となります。

「サラダにするなんてもったいない。そのまま食べる」という声も聞こえてきそうですが、数粒ほどサラダに使ってみると、違ったおいしさも味わえます。皮が薄く、皮ごと食べられるからこそこういう使い方ができますね。

スティックブロッコリーは細長いタイプのブロッコリーで、茎もやわらかく食べられます。ハムでタンパク質、スティックブロッコリー、トマトなどでビタミンC、葉酸、鉄、亜鉛、食物繊維などがとれます。

好き嫌いの克服の1つに、家庭で色々なものを出し続けることが挙げられます。旬の色々な食材を試してみてくださいね。

管理栄養士・月野和美砂