春休みとなり、新生活への準備の真っ最中の人もいると思います。

私が指導する中学生女子バレーボールのクラブチームでは、定期的に身長や体組成を確認し、必要に応じてアドバイスを行っています。バレーボールは身長が高いことがメリットなので、子どもたちは少しでも大きくなりたいと思っています。身長の伸びは個人差、性差がかなりあり、女子は男子に比べて伸びる期間が短いので、その期間を最大限に生かすことが大切です。

何かをすると特別に身長が伸びるということはありません。ただ、カラダが成長しようとしている、その足を引っ張るような障害を作らないように生活を整えるように指導します。その1つが「食事」です。

身長が伸びる時期は個人差が大きい

中学1年の女子は、最も身長の伸びが大きい「成長スパート」がまだ始まっていない子、真っ只中の子、すでに後半の子と入り乱れています。個人差が大きいためで、それぞれの時期によって適切な食事のとり方は違いますし、そういった生活の仕方が競技に適したカラダ作りにも影響します。

春からうちのチームに入団する選手には、中学生になっても最大限身長を伸ばし、できるだけ大きくなってほしいと思っています。小学生時代の各学年での身長、体重の記録などを参考にして、親子で子どもの成長時期を把握することも大切です。

今回は「葉タマネギとアサリとワカメのぬた」を紹介します。

「ぬた」とは、「葉タマネギ」とは

「ぬた」とは高知県伝統のたれの一種ですが、単にみそや酢みそであえたものも「ぬた」や「ぬたあえ」と言います。みそなどを使ってトロっとした見た目が「沼田」を思わせたところからこう呼ばれたそうです。魚介類とネギやワケギなどと合わせるのが定番で、今回は葉タマネギでアレンジしてみました。

葉タマネギとは、タマネギの玉(変形した葉)の部分ではなく、青々とした葉の部分のこと。元は普通のタマネギですが、収穫時期が違い、玉の部分が大きくなる前に収穫します。玉が大きくなっても食べられますが、硬くなって中身もスカスカになるので、玉が大きくなる前、通常1月から4月初旬までの限られた食材です。

葉を食べるので普通のタマネギよりも栄養価が高く、βカロテン、葉酸、カリウム、カルシウム、ビタミンE、ビタミンB2のほか、水溶性・不溶性食物繊維などを含みます。アサリもワカメも春が旬の食材なので、冷凍や乾燥ではなく生のものを利用するのもいいですね。

今回のような和食は、脂質が低くタンパク質もとれ、少量でもかなり栄養の密度が高い副菜です。女子ジュニアアスリートの成長期後半であっても積極的にとって欲しい一品です。

オトナアスリートへ成長する子どもたちとこのメニューを食べながら、「ぬた」や「葉タマネギ」などを話題にしてみてはいかがでしょうか。

管理栄養士・月野和美砂