女子アスリートの問題というと、いわゆる「女子アスリートの3主徴」が話題になることが多いかと思います。エネルギー不足によって体重が減少したり、人によっては無月経になったり、骨密度が低下して骨粗しょう症の状態につながったりするかなり怖いものなので、運動量に見合ったエネルギーをとることが大切だと促されます。
「女子アスリートの3主徴」は特に持久系や審美系競技のアスリートに多く見られるもので、バレーボールのような球技では全体的にそれほど多い印象はありません。むしろ逆の問題が起こっているようにも感じます。
必要以上の体脂肪はデメリットも
成長ピークの頃はいくら食べても大丈夫だったのに、身長の伸びが止まる中学生以降の女子アスリートは体重が増えやすく、体脂肪がつきやすくなります。思春期の女性は誰でもそうなりやすいのは当然ですし、体脂肪は必要なものです。
ただ競技をする上で、必要以上の体脂肪はデメリットがあります。適量を超えてしまうと、ケガをした際に重症化したり、故障の原因にもなったりするからです。
適切な体重、体脂肪を「気にかけて生活」
同じ競技、年代でもレベルによって練習量や指導法は違うでしょう。いまや、容姿や体重などの話題は人権問題にもなりかねないため、あえて触れない傾向もあります。しかし、各選手が適切なコンディション管理を自分でできるようにするためには、成長期後半から体重や体脂肪について個別指導する必要があるとも感じています。
練習量が多い時期と少ない時期では消費するエネルギーが違うこと、食べているものの栄養やエネルギー量を知ること、それらを「気にする」というより「気にかけて生活する」こと…。日々の食事の内容を見直して食生活を整えることで、体脂肪率が変わりだす選手もいるのです。
少し体重が増えたら直近の食生活を振り返ったり、行動を見直したりと「気にかける」ことで、自らの体重や体脂肪についても冷静に対処できるようになるといいですね。特に身長の伸びが止まりつつある女子アスリートに関しては、適切な体組成でいられるよう正しく理解させることで、間違った減量に走ることを防げるのではないかと考えています。
自分が必要なエネルギー量をむやみに増やさない、減らしすぎないことが、将来の健康にも役立ちます。女子だけでなく男子も、アスリートだけでなく運動をしていない子にとっても大切な知識だと思います。
今回は「ロマネスコと鶏ひき肉の炒め物」を紹介します。
日本ではまだ新顔野菜のロマネスコはヨーロッパ生まれで、分類上はカリフラワーの仲間とされており、冬が旬の野菜です。カリフラワーやブロッコリーは野菜の花(花蕾)を食べますが、ロマネスコはこの模様がらせん状にそろっているのが特徴で、ブロッコリーのようにゆでて食べます。
ロマネスコなどのカリフラワーの仲間は、ゆでてもかさが減るわけではなくローカロリーです。ビタミンCが多く、ロマネスコのようにグリーンがかったものには特に多く含まれます。
身長の伸びが止まったアスリートは体脂肪を意識して、鶏ひき肉を選ぶ際も高タンパク低脂質のむね肉やささみのひき肉を使うといいでしょう。ロマネスコでボリューム感を演出して“オトナアスリート”の食事へとうまく移行していきましょう。