スープを作る時、「コンソメなどのうまみ調味料がないと味が決まりにくい」という話をよく聞きます。もちろん、おいしく作れるのでありがたいのですが、使いすぎると塩分過多になったり、ついつい味が濃くなってしまったりするのが悩ましいところです。
調味料を使わず、元々素材が持つうま味成分を上手に使えば、素材だけでも味が決まりやすくなります。例えば、うま味成分豊富なアサリは、みそ汁によく使われます。アサリから出るだしをスープベースに使うと、あっさりとしていて、かつ味わいの深い一品を作ることができます。
今回は、アサリのだしを使って出初めの夏野菜を煮込む、食べるスープ「アサリと夏野菜のスープ」を紹介します。
旬の野菜は、栄養素もMAXに含まれています。野菜も、塩を少しふって弱火で炒めると、それが持つうま味や甘味を引き出すことができます。
また、アサリにはビタミンB群(特にB2、B12)やマグネシウムなどが多く含まれています。特に体内で合成できないビタミンB12は赤血球の生成を促すため、成長期には必要なビタミンです。水溶性の成分ですので、スープにして食べることで、栄養素を逃さず取り入れることもできます。ぜひお試しください。
【料理家・山内千夏】