「口」が、感染症対策の第1関門になることを知っていますか? 口腔(こうくう)ケアを行うことでインフルエンザや風邪の発症率が低下できることをテーマにした研究は、ここ10年間で約3倍も増加。口の中の健康状態を保つ「オーラルウェルネス」の研究が進み、「口は全身の健康の要」だということが近年、明らかになってきています。

「健康づくりは、口からだ」を掲げて口腔ケアの大切さを啓発するオーラルウェルネス推進委員会は先日、「感染対策における、オーラルウェルネスとDOMAC(ドゥーマック)の可能性」と題したセミナーを行いました。キャンディに含まれるアロマ成分複合体「DOMAC」が、口腔ケアに有効かどうかを検証したセミナーです。結論から言うと、キャンディをなめることが感染対策につながるのではないか、というものでした。

唾液量UPで口腔内免疫力を上げよう

東京歯科大老年歯科補綴(ほてつ)学講座の上田貴之教授は、不規則な生活習慣やストレス過多などが原因で、現代はドライマウスが急増した“唾液不足”だと指摘。そのため①口腔内免疫力が低下、②口腔内細菌が増加—という2つの課題が生じているそうです。

そこで(1)何もなめない「安静時」(2)一般的なキャンディ(3)DOMACを含んだキャンディ—の3つで検証実験を行いました。5分間なめた直後に唾液内の、細菌やウイルスの侵入を防ぐ免疫物質「IgA」を測定したところ、安静時よりもキャンディをなめた方がIgAの濃度は高く、その中でもDOMACを含むキャンディはさらにIgA濃度を増加させ、感染予防につながる可能性があることが分かりました。

歯磨きにプラス!DOMAC入りキャンディ

また、帝京大医真菌研究センターの安部茂客員教授は、DOMAC入りのキャンディが「セリンプロテアーゼ」など2種類のウイルス活性化酵素を抑制することを明らかにしました。

唾液は水分が99%を占め、残り1%にさまざまな物質が含まれています。その中で注目が高まっているのが、免疫抗体のIgAです。

ただ、舌の上に白や黄色く汚れた「舌苔(ぜったい)」があるなど口の中が汚いと、IgAはその汚れの対処で手いっぱいとなり、新たに入ってくるウイルスや細菌への防御が間に合わなくなるそうです。

感染症対策のためにも、舌も含めた口腔内のケアを念頭に。そのとき、キャンディをなめることも1つの手のようです。

今回、紹介したDOMAC入りキャンディやタブレットは以下のサイトで販売されています。