このたびケータリング・冷凍食品のプロデュースを行う(株)グリッターズから、アスレシピのレシピを使った「アスレシピ公認」の商品が販売されました。名付けて「アスリートのおかずDELI」です。

よくある「低カロリー高タンパク」や「ダイエット」のようなうたい文句ではなく、「貧血予防」「疲労回復」「筋力UP」といった栄養価を強調した、まさにアスリートのための“おかず弁当”になっています。

今回の商品化はひとえに、グリッターズの坂根貴暁社長(40)の熱意によるものでした。そのきっかけは社長に届いた1人の母親の声。商品の紹介とともに、坂根社長が販売に至った開発秘話をお届けします。

冷凍でお届けする「アスリートのおかずDELI」
冷凍でお届けする「アスリートのおかずDELI」

コロナ禍での変化、ある母親の苦悩

アルバイトをきっかけに、坂根社長がケータリング業界に携わって約20年。26歳だった2007年にグリッターズを立ち上げた当初は「ケータリングってあんまりおいしくないよね」という声をよく聞いたそうです。業界全体をひとくくりにされたその言葉が悔しい一方で、「チャンスだとも思いました」。便利さだけでなく味にもこだわる。これをモットーにしたかいあって、パーティーやイベントなど多くの依頼を受注し、業績は向上していきました。

ただ昨年、景色は一変します。ご多分に漏れず、新型コロナウイルスの影響を受けました。当然のように法人相手のパーティーやイベントはなくなり、結婚式など既に決定していた月1、2件のわずかなイベントをこなすのみ。共同経営するイタリアンレストランも含めて、売り上げは10分の1に落ち込みました。

今後を模索し、個人の方にもデリバリーを始めていた中で、利用者の1人に子供がサッカーをしている家庭がありました。その母親自身もテレワークで仕事をしながら家事・育児をこなす日々。何度か利用してもらう中で打ち明けられた悩みは、こうでした。「(サッカー)クラブの送り迎えだけでも大変で、本当は栄養も考えてあげたいけど、気を使ってあげられないんです」。

コロナ禍で激変した環境。人に頼ることは難しくなりました。家で仕事しつつ、子供の練習の送り迎えもします。そして合間には食事の支度。せっかくだから成長期の子供のカラダを考えた食事を作りたいけど、そこまでの時間も余裕もありません。母親としての苦悩を、坂根社長は受け止めました。

「その言葉をいただいたときは我々もケータリングが減っている中で、新しいモノを作りたいという思いがありました。お母さまの言葉に何かお手伝いできないかという思いと重なったことが『アスリートのおかずDELI』に取り組むきっかけでした」

いきさつを語るグリッターズの坂根社長
いきさつを語るグリッターズの坂根社長

アスレシピとの出会いで方針を転換

ケータリング会社として、これまでも食事の開発に携わったことはありましたが、スポーツする人を対象としたおかず製品を、まして冷凍で開発したことはありません。「最初は自分たちでレシピを作り、料理も届けられればと考えていました。そこで、まずは競合サイトや似たサイトがあるか探したんです。そうしたら、思っていたサイトがもうありました」。それがアスレシピだったそうです。

「アスレシピに目が留まった1番の理由はレシピが競技別、目的別に分かれて用意されていることでした。ほかのサイトでは『高タンパク低カロリー』とか『ダイエット』などに向いている商品が多いと思っていた中で、アスレシピは管理栄養士の方々がたくさんいて、いろいろな方向を向いていた。スポーツをするジュニアアスリートにとっての栄養を考えているところが興味深いと思いました」

スポーツ新聞社が運営していると知ったときは驚いたそうですが、マスメディアだからこその信頼も感じて、迷わず問い合わせました。それが昨年8月末です。

難航する準備と次々に生まれる課題

問い合わせは決して軽い思いつきだったわけではありません。それでも見通しは甘かったと振り返ります。アスレシピのレシピ使用許諾を得ることに注力する余り、ECサイト制作会社との契約、食品会社との交渉、商品を作る工場の選定と箱代やピッキング料金―。次々に生まれる課題に翻弄(ほんろう)されたそうです。

「元々のレシピがあるので、そのまま商品に落とし込めれば後は簡単だと思っていました。でも、レシピの前に容器・容量を決めることが先決で、その分量に合わせてレシピは作り直す必要があった。そして初めて試作品が作れるんです。想定の甘さがありました」。

冷凍にすると、食感や色味の変化が生まれる食材もありました。味を落とさず、原価との兼ね合いに神経を使いながら、食材選びも難航しました。

最初の構想では今年1月の販売開始を目指していたものの、初めて試食を実施できたのは3月中旬。メールやオンラインでやりとりしていたアスレシピのメンバーと対面したのも、そのときが初めてでした。

「グリッターズと日刊スポーツでは会社の規模感もかなり違いますし、良い物を作りたいと思うがあまり、当初からアスレシピの担当の方にはかなり無理なお願いをしたと思います。それでも真剣に向き合ってもらったおかげで、ようやく形にすることができました」。

最初の試食会から2カ月半。主菜1品と副菜2品が入った5品がようやく決まりました。

アスリートのおかずDELI 5種セット

①「高野豆腐の肉豆腐セット」
血液の生成に欠かせない鉄やタンパク質の摂取を主な目的とした「貧血予防」。

②「レモン風味のショウガ焼きセット」
「疲労回復」を目指す食事としてエネルギー補給とビタミンB1を摂取する。

③「鶏むね肉のカレーマリネセット」
タンパク質の摂取に焦点をあてて「筋力UP」をうながす。

④「ビタミンACE☆豚しゃぶセット」
免疫力を高めるタンパク質、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、亜鉛などが豊富な「免疫力UP」。

⑤「イワシのハンバーグ和風ソースセット」
カルシウムだけでなく、タンパク質や吸収を高めるビタミンDなどの脂溶性ビタミンも含まれた「骨強化」。

  1. 「5種セット」申し込みはこちら

他で食べられるなら作る意味がない

「この5品を選んだ1番の理由は栄養価です。ほかで食べられる食事なら正直、作る意味がないと思っていますので。和風、洋風、エスニックと、いろいろなメニューを扱いながら、肉、魚、野菜はバランスよく摂れるように選びました。中高生向けにこの味はどうなのかというご意見もあると思いますが、大切なのは『飽きさせない』ことだと思っています」

商品化への過程で、ご飯に合うように高野豆腐は味付けを濃く変更。副菜の「ブロッコリーとナッツのおかか和え」では、レンジで温めても溶けずに見た目が残るチーズをあえて使っているそうです。味と栄養にこだわり、冒頭の母親の思いを、ようやく商品に乗せることができました。

「アスリートのおかずDELI」5種セット
「アスリートのおかずDELI」5種セット

試食会に参加したアンバサダーの声

アスレシピ認定アンバサダー 甲斐かおりさん
毎日の食卓で、どんな料理を組み合わせて出せば良いのか、献立作りに悩みます。「アスリートのおかずDELI」には普段、自分では作らないメニューも入っていて、バランス良く主菜、副菜がセットされて栄養価も分かるので安心です。小さな子どもでも食べやすい味付けなところも気に入っています。

アスレシピ認定アンバサダー 吉本恵子さん
スポーツをする息子を送迎する際、よく車の中で食事をさせていました。忙しくてその準備ができない時などは、「アスリートのおかずDELI」が役立ちそうです。主菜、副菜すべてにタンパク源が入っているので、育ち盛りにはうれしい限り。これにご飯や汁物、自宅にある他のおかずを加えれば、量もバランスもばっちりです。

アスレシピ認定アンバサダー 三浦衣江さん
思った以上においしくて驚きました。自宅でも活用できますが、部活と勉強で忙しい1人暮らしの学生には非常にありがたいセットだと思います。いつも冷凍庫にあれば、疲れてご飯が作れない時でも解凍してすぐに食べられます。「親からのプレゼント」としても使えますね。

改良を重ねながら第2、第3弾販売へ

坂根社長は「スポーツに励む子供たちはもちろん、大人の方にも満足いただけると思います。日々の食事はもちろん、1度レンジで温めた後、おかず弁当としての活用もオススメです。おにぎりと乳製品を持っていき、運動後の補食にフルーツを食べれば、基本の6品に限りなく近づきます。送り迎えの車内で食べるという使い方もできるでしょうし『運ぶ』ことができる。そこがレシピを形にした良さだと思っています」。

販売開始から1カ月余り。味については随時改良を重ねている最中です。意見を寄せていただいたユーザーの方々には特典も用意する考えだそうです。

「新しい事業なので、挑戦しかありません。種類も増やして半年以内には3セット販売できるようにしたい。選ぶ楽しさ、購入しやすいラインアップにしていきたいと考えています」。

ぜひ1度、お試しください。

皆さんの声を反映させていくと語る坂根社長
皆さんの声を反映させていくと語る坂根社長