アーモンドの美容・健康効果広め、市場拡大狙う／キャンポス社日本進出30周年：アスレシピ

他のナッツ類よりも抗酸化作用の高いビタミンＥを多く含むアーモンドは、美容、健康効果だけでなく、運動によって活性酸素の生成量が増えるアスリートにとっても日常に取り入れたい食品の1つだ。

世界のアーモンド生産の8割以上を占めるのは、アメリカ・カリフォルニア州。その地の広大な敷地においてアーモンドを生産・加工販売するキャンポス社が日本で事業展開して、今年で30年になる。このたび、トニー・キャンポス会長ほか経営一族が来日し、日本の総代理店デルタインターナショナルと共催したセミナー＆パーティーで、日本でのさらなる事業拡大計画を明かした。

キャンポス社の共同経営者、スティーブン・キャンポス氏によると、30年前の日本でのアーモンド製品といえば「アーモンドチョコ」「おつまみ用の塩付きアーモンド」。それが今ではパン、バター、飲料やオイルなどの加工品も含め、さまざまな商品が流通し、サラダにトッピングするなど食べ方も工夫されるようになった。

優れた栄養バランスから、米国では「パーフェクトスナック」とも呼ばれるアーモンドは、不溶性食物繊維をたくさん含み、腸の働きを活発にするので、ダイエット効果も高い。美容への意識が高い韓国では若者を中心にスナック感覚として日常的に食べるスタイルが浸透し始めており、カリフォルニア・アーモンド協会の日本・韓国担当のミュリエル・キム氏は韓国でのPR戦略を披露しながら「日本でも多くの人たちに、その健康効果をもっと知ってもらいたい」と意欲的に話した。

いつ、どれくらい食べるのがいいの？

アーモンド協会では、成人女性の1日の摂取目安量を1日約23粒と推奨しており、「手のひら一杯のアーモンドで、1日に必要なビタミンＥがとれる」がキャッチフレーズになっている。食べる時間帯は「午前中」がいいとされ、食事の合間、補食・間食に摂るのが良さそうだ。

緩やかな糖質制限「ロカボ」にも効果的

近年、世界的な糖尿病患者の増加が問題となっており、その予防・対策に適した食事の研究も進められている。一般社団法人食・楽・健康協会理事長で、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟氏は、ゆるやかな糖質制限「ロカボ」を推奨する。糖質を1食20グラム以上40グラム以下に抑えれば、そのほかの制限はせず、むしろ脂質やタンパク質はしっかり摂ろうという考え方だ。

ロカボを取り入れる中で質の高い脂質、DHA、EPAなど青魚に多く含まれる魚油や、アーモンドなどナッツ類に含まれる植物性油脂をとり続けることも大切だという。アーモンドはタンパク質も含んでおり、さらに効果的だ。

糖質を全く摂らない極端な糖質制限ではリバウンドが起きやすく、彩り豊かな食生活・食文化体を壊しかねない。また、生活習慣病の増加の一方で、予防や対策のために無理なエネルギー制限をすることで必要な栄養素が摂れず、筋肉が落ち、虚弱になって生活が困難になる「フレイル」も問題視されている。ロカボならタンパク質や脂質をしっかり摂ることで、それも防げるという。

糖質制限は、成長期のジュニアアスリートを含め、成人向け、中高年、高齢者向けの食事のとり方の1つとして確立されつつあるが、山田氏は「プロのトップアスリートとも一緒に研究を続けており、結果も出ている」とアスリートにとっても効果があるとし、「カーボローディング一辺倒だったスポーツ栄養の世界も含め、栄養学の世界は日々進化する」とも加えた。

また、「毎日口に入れるものであれば、選ぶ時間に手間がかからない方がいい。最近は低糖質の商品やパッケージ化されたものも増えており、消費者はうれしいですよね」と安心安全で、使いやすいものを選ぶよう、山田氏は指南した。

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