栄養に国境はありません。健康な身体を作るという目的は、皆同じです。とはいえ、日本にいながら外国人をサポートする場合、いくつかの問題点があります。

言葉の壁
通訳がいても、こちらの意図が正しく伝わらない場合があります。栄養やスポーツに関する専門用語を伝えるには、通訳を介しても難しいことがあります。

食習慣の壁
一度、親子丼のメニュー提案をし、現地の料理担当に作成してもらったことがありますが、全く違うものになって出てきた時はさすがにショックでした。

環境の壁
日本の食材を手に入れる場合、海外では難しいことがあります。例えば、お茶を指定したとしたら、それに砂糖が入っていることもあり、想像している食品が手に入らないこともあります。

これらをクリアしながら現在、海外に住む15歳の女子選手を遠隔サポートしています。海外でも、日本食は高く評価されています。

日本食が海外でも評価される点

(1)だしを使用し、味付けのバリエーションが豊富。選手にあった味付けで食べやすくできます。
(2)一汁三菜という献立の考え方があるため、とりづらい野菜も取りやすくなります。アスリートの理想的な食事、「基本の6品(主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品)も整えやすくなります。
(3)2013年に「日本人の伝統的食文化」として「和食(日本食)」は、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。

今回はアスリートに摂って欲しい食材を使い、遠隔でも伝えやすく、簡単に作れる日本のソウルフード、アスリートふりかけを紹介します。「ヒジキとサバみそ缶のアスリートふりかけ」は日持ちしますし、かさばらないので遠征先にも持っていけます。

貧血防止、スタミナアップ、ケガ予防を意識したふりかけをご飯のお供にすれば、食が進み、たくさんご飯も食べられます。おかずにもぱらっと乗せれば、栄養価が高まります。もちろん、お弁当にも活用できます。

ちりめんや缶詰のサバはカルシウムが豊富です。ヒジキは鉄鍋で調理すると、鉄分を確保できるので、ご家庭に鉄鍋があるようなら、ぜひ利用してください。

管理栄養士・山口美佐