卵は、世界中どこでも愛されている食材のひとつ。イタリアには溶き卵のなかにさまざまなものを加えて焼く「フリッタータ」という料理があります。イタリア版オムレツ、とも呼ばれていますが、ふんわり、とろーりと巻き上げるオムレツとはまた違い、フライパンの丸い形をそのまま生かして、表面をしっかりと焼き上げるのが特長です。

前菜でもメインでもお好みで

 イタリアのマンマ(お母さん)たちが、大きめのフライパンで焼き上げる姿は圧巻。中に加える具材は何でもOKで、定番はパンチェッタ(豚ばら肉の塩漬け)やチーズやじゃがいも。そのほか季節のさまざまな野菜や、はたまた前日残ったパスタなどを加えてしまうレシピもあります。

 老若男女みんなが大好きなこの卵料理、前菜に食べたりメインにしたり。パンに挟んでパニーノ(イタリア版サンドイッチ)にしたり…と、どんな場面にも大活躍な一品なのです。

栄養成分豊富な旬の食材とあわせて

イタリア版卵焼き フリッタータ
イタリア版卵焼き フリッタータ

 今回ご紹介するレシピ 「イタリア版オムレツ フリッタータ」は、旬のグリーンピースとしらすを合わせたもの。グリーンピースは食物繊維が豊富で、ビタミン類のバランスもよい食材。鞘(さや)からはずして空気にふれると固くなりはじめるので、できれば鞘つきのものをお求めになり、食べる直前にむくのがおすすめです。

 イワシの稚魚のしらすは、カンタンにまるごと魚の栄養を取ることができる便利な食材。カルシウムが豊富なことで知られていますが、実はカルシウムの吸収に必要不可欠なビタミンDも多く含まれているのです。しらすには釜揚げしらす、しらす干し、ちりめんじゃこなどが販売されていますが、ぜひ春の、旬の時期の釜揚げをお使いください。

 塩分も控えめで卵の食感もふっくらと仕上がります。冷めてもおいしくいただけるので、お弁当のおかずにもオススメです。