国内女子ゴルフツアーのシード選手は3月頭から11月末まで9カ月間、国内各地を転戦し、ほぼ毎週トーナメントに出場する。体が資本だけに栄養士をつけたり、マネジャー、トレーナー、コーチなど「チーム」で動くプロもいるが、20年の国内メジャー・日本女子プロ選手権で優勝した永峰咲希(26=ニトリ)はそうではない。食のモットーは「好きなものをバランス良く」。そして時々「ウナギ」を食べる。

日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯の練習ラウンドで、笑顔を見せる永峰咲希(撮影・浅見桂子)
日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯の練習ラウンドで、笑顔を見せる永峰咲希(撮影・浅見桂子)

ツアーは、マネジャーのようにサポートしてくれる母香奈子さんと2人で動く。ご飯は宿舎近くで居酒屋、レストラン、すしなどをジャンルを問わずに探し、気分で選ぶ。「基本的に好きなものを食べる。バランスは心がけますよ。野菜は好きで必ず食べるし」。元来偏食がない。ただ脂モノは苦手で、唐揚げなどは1個で十分。焼き肉に行けばカルビなどを避け、肉類なら牛より豚、鶏派。むしろ焼き魚、煮魚などを好む。「ココイチのカレーも好きですけど“シーフードの甘口”が定番です」と笑った。

食へのこだわりが少ないが、長いシーズン中はどうしても食が進まない日がある。そんな時が「ウナギ」だ。

「他の料理が無理でも“ウナギはいけるかな”ってなる。母もウナギ好きだし。関東風の蒸しじゃなく、関西風の焼きで。皮はパリパリ。(故郷の)宮崎も焼きなんで。でも、ウナギに似てるアナゴはダメ。お寿司食べに行っても、注文しません」。

フジサンケイレディースでツアー初優勝を飾った98年終盤戦。1センチもない段差につまずき、体力不足を痛感した。翌99年シーズンから試合がある週も月、火曜に必ずトレーニングを入れ、試合中も毎朝約30分、しっかり汗をかく程度のトレーニングを続け、シーズン通して戦う体力を維持できるようになった。

スタンレーレディスゴルフトーナメント1日目、ティーショットを放つ永峰咲希(撮影・鈴木正人)
スタンレーレディスゴルフトーナメント1日目、ティーショットを放つ永峰咲希(撮影・鈴木正人)

「トレーニングを習慣づけてから、たま~に猛烈にジャンクな食事がしたくなって、ファストフード店でチーズバーガー、ナゲットとか“暴食”します。でも、その分カロリーも消費してるし。体重変動もほぼないです」

プロテインを飲んだことがない。ビタミンなどのサプリメントも摂らない。それでも、14年のプロテスト合格からツアー通算220戦(10月24日時点)で棄権は今年7月ニッポンハムレディースの1度だけ。左手親指付近が張って大事をとった。温暖な宮崎で生まれ育った自然派女子は、ある意味苦労せずアスリートの体を手に入れている。

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