タンパク質は筋肉や臓器だけでなく、軟骨・皮膚・腱・靭帯・毛髪・爪・皮膚の構成成分となっています。また、酵素・ホルモン・免疫細胞などの材料にもなります。

食事によって摂取したタンパク質は、胃と小腸のそれぞれの消化酵素で消化され、さらに小腸の膜消化でアミノ酸に分解され、吸収されます。食べた肉がそのまま体内で利用されるのではなく、アミノ酸として吸収され、体内で筋肉や臓器など、それぞれに合わせたタンパク質が再合成されるのです。

タンパク質を摂取する時のポイント

タンパク質を体内で効率よく利用するために、摂取する時のポイントは次の通りです。

1、よく噛む
食品の表面積を広げ、消化液がかかる部分を増やすと、効率良く体内で消化吸収されるので、よく噛むことが大切。

2、 炭水化物や脂質も摂る
炭水化物や脂質が不十分で摂取エネルギー量が少ないと、せっかく摂ったタンパク質がエネルギー源として利用されてしまう。

3、タンパク質を含む食品を2種類以上摂る
必須アミノ酸(体内で合成されないため、食品から摂る必要があるアミノ酸)を体内で有効利用するには、1回の食事でタンパク質を多く含む食品を、少なくとも2種類以上取り入れるようにする。

<メニュー例>
・1品で2種類以上の食品をとる方法=親子丼(鶏肉と卵)、マグロ納豆(魚と大豆加工品)
・主菜と副菜(小鉢)を組み合わせる=メインおかずと冷奴や納豆など、メインおかずと豚汁や豆腐のみそ汁など

写真は「サバ缶と油揚げの炊き込みご飯」です。魚(サバ缶)と大豆加工品(油揚げ)とタンパク質を多く含む食品を2種類と炭水化物(米)をしっかり摂れるレシピです。

アスリートには、タンパク質源として不飽和脂肪酸を含む魚類を選んで欲しいのですが、扱い方やゴミの処理などが煩わしく感じられるためか、肉類に偏りがちです。缶詰ならそのまま使用できますし、骨ごと食べることもできます。手軽に手に入り、保存も利くので家庭にストックしておくと良いですね。

大豆加工品の油揚げは良質なタンパク質と、ビタミンB1・E、カルシウム、鉄なども多く含んでいます。使用する前に油抜きをすると、カロリーを1/3減らすことができます。このひと手間を加えることが、不要な脂質を摂り過ぎないコツです。

材料を米と一緒に炊飯器に入れるだけ。1人暮らしなどで自炊をするアスリートにもおすすめのメニューです。

管理栄養士・石村智子