<コロナに翻弄された人たち:2020年を振り返る>

静岡・御殿場西高空手道部の堀場早耶(はや=3年)は、日本一の女子高生だ。新型コロナウイルス感染症の影響で全国総体が中止。その代替大会として開催された「全国高校空手道 形インターネットGP」で、女子グランプリに輝いた。

引き締まった表情で練習に励む堀場早耶(2020年8月17日)
引き締まった表情で練習に励む堀場早耶(2020年8月17日)

1人では無理だった頂点と全日本への道

同GPは、3年生を対象に演武動画を受け付けて採点するオンライン形式で行われた。堀場は予選を通じて4つの形を披露し、3つで1位を獲得。参加166人の頂点に立った。「去年の国体で5位、(今年の)春の選抜でも県と東海予選で優勝できた。『ここから』という時に大会がなくなってしまった。タイトルを取れてホッとしている」と、改めて喜びを口にした。

動画は細矢真人監督(44)をはじめ、同期の女子部員の協力を得て撮影。計約5時間をかけて、何度も撮り直した。「代替大会が決まっていたのは形の自分だけ。それでも頑張っている組手の同期を見て『自分も』と思えた。1人では無理だった」と、仲間への感謝も胸につかみ取った栄冠だった。

賞状とトロフィーを手に笑顔を見せる堀場早耶(2020年8月17日)
賞状とトロフィーを手に笑顔を見せる堀場早耶(2020年8月17日)

今GPの結果で、12月13日に行われる全日本選手権(東京・日本武道館)の出場権を獲得。同大会は、幼少期から毎年のように会場で観戦してきた憧れの舞台だ。堀場は「思い切って自分の最高の形を打ちたい」と、決意を新たにした。【前田和哉】

◆堀場早耶(ほりば・はや)2002年(平14)8月19日、愛知県生まれ。保育園年長時に拳和会で本格的に空手を始める。緑丘小―武豊中を経て、御殿場西高に入学。家族は両親と兄。157センチ。血液型O。

(2020年8月27日、日刊スポーツ静岡版掲載)