アスリートが充実した練習をするためにはまず、運動分のエネルギー補給をすることが大切です。さらに、コンディションが良い状態を維持するためには、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素が十分に、食事から摂れていることがカギになります。

一般人と比較して、運動によるエネルギー消費量が多いアスリートは、ビタミンやミネラルの補給量も相対的に多めにとることが必要です。ただし、摂りすぎもNG。ビタミンA、Dなどの脂溶性ビタミンや微量ミネラルなどはサプリメントに頼ると、簡単に過剰摂取となり、副作用もあるため注意しなければなりません。

今回は、食事からビタミンやミネラルが効率よく摂れる野菜の食べ方について紹介します。

タンパク質も毎食不足しないように

ビタミンというと、野菜に多く含まれているイメージがあると思いますが、タンパク質源となる肉や魚、大豆製品や卵にも含まれています。それらには主に「B群」といわれる代謝に関わるビタミンが多く、野菜に含まれているビタミンとは種類が異なります。つまり、ビタミン補給のためには野菜だけでなく、タンパク質も毎食不足しないようにすることが大切です。

前述の通り、食事量が多いアスリートはビタミンもしっかり摂取したいので、野菜の摂取量も一般人の方よりやや多めにとりたいところです。とはいえ実際には、不足しやすい主食や主菜からのエネルギー補給を優先したいがために、副菜となる野菜の摂取量が少なくなってしまうことがあります。

スープや温野菜にしてかさを減らす

摂取量が少ない場合、量を多くする工夫や、栄養素を効率良くとることができる食材を選びましょう。

生野菜はかさがあるため、どうしても摂取量が少なくなりがちです。スープや温野菜にしてかさを減らして食べやすくしてみましょう。ミネストローネなど、野菜たっぷりのスープを作り置きしておいて、メインのおかずとごはんやパンなどの主食と組み合わせれば、短時間で食事の用意ができます。

量が摂れない時は緑黄色野菜を積極的に

調理に手間をかけられない場合や、野菜を少量しか食べる余力がない場合は、積極的に色の濃い緑黄色野菜をとりましょう。トマトやブロッコリー、ニンジン、ホウレン草など、スーパーで手に入りやすい食材が多いと思います。トマトは流水でさっと洗って食べることができますし、ブロッコリーやホウレン草は、冷凍野菜を利用すると手軽に補給できます。食べない選択肢ではなく、食べるためにどうするかを考えてみましょう。

今回紹介するレシピは「野菜焼き鳥」です。アスリートは、高タンパク質低脂質の鶏肉を食べているのをよく見かけますが、一口大に切り分け、竹串に刺して焼き鳥にすれば、目先も変わりますし食べやすくなります。

串には、鶏肉と交互に野菜を挟んでいきましょう。今回は見た目もカラフルなパプリカと買い置きしやすいタマネギを使いました。このほか、アスパラやズッキーニなど、冷蔵庫にあるお好みの野菜でも代用できます。

フライパンで調理できるので簡単です。彩り豊かに、ビタミンも補給していきましょう。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子