貧血とは、血液中の赤血球やその中に存在するヘモグロビンの濃度が少なくなった状態です。特に、スポーツ選手は鉄が欠乏しやすく、「スポーツ貧血」になりやすいのです。

大量の汗とともに、ヘモグロビンの材料となる鉄が流出したり、長時間のランニングやジャンプなどで足を地面に打ち付けるダメージから赤血球を破壊、変形させたりしているためです。

こんな症状があれば貧血かも?

以下のような症状がある場合、貧血を疑った方がいいでしょう。

息切れ、めまいがする
集中力が続かない
食欲がない
胃腸が重い
手足が冷え、寒くて仕方ない

さらに、月経が始まった女子選手は、貧血に注意しなければなりません。また、貧血かどうかを確認するためには、専門医による血液検査でチェックすることも必要です。

予防のために摂りたい栄養素

貧血予防のために摂りたい栄養素は、ヘモグロビンの材料となる「鉄」「タンパク質」と、鉄の吸収を高めるための「ビタミンC」。鉄は体内吸収率が低いので、こまめに摂取することが大切です。一方で、お茶に含まれるタンニンやインスタント食品などに含まれるリンは、鉄の吸収を阻害するので気をつけましょう。

鉄は、動物性食品に多いヘム鉄と、植物性食品に多い非ヘム鉄に分かれています。ヘム鉄の体内吸収率は10~30%で、レバーや赤身肉、カツオ、マグロなどの赤身の魚、アサリ、シジミなど。非ヘム鉄の吸収率は2~10%で、ヒジキ、切り干し大根、納豆、木綿豆腐、ホウレン草などに含まれています。

また、赤血球を作るために必要な葉酸、ビタミンB12を一緒に摂るとより効果的です。葉酸はホウレン草、ブロッコリー、枝豆、納豆などに、ビタミンB12は豚レバーやアサリなどに多く含まれます。

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