女子プロゴルファー渋野日向子がいつも笑っている訳、勝みなみがコーチをつけずともトップゴルファーでいられる理由は…。家族の力、特に母親の力は偉大だと、日刊スポーツの記者が明かします。

さりげないサポートで“伸びる力”育む

ワールド・サロンパス・カップで優勝した西村優菜が、母親に感謝の涙を流した。母の日でもあり、話題を振られたかたちだが、優勝して母親に感謝する選手は多い。女子プロの場合、ゴルフ場への移動や、ホテルでの食事のケアなど、母親のサポートを受けている選手は多い。

同じような年代の娘を持つ身としては、そんなお母さんたちについ子育て論を聞いてみることもある。渋野日向子の母・伸子さんは、あまり会場に姿を見せない。それでも渋野の代名詞「スマイル」は、伸子さんの「あなたは笑顔が似合うから、いつも笑っていなさい」という教えから来ている。優勝争いの時には、岡山から体操教室で教える子どもたちの画像を送ったり、会場に応援に駆けつけるときは本や、ビデオを持ってきたり。さりげないサポートだが、それが渋野のパワーの源になっているのは間違いない。

渋野日向子(2021年3月25日撮影)

明るく前向きで、他人を思いやる心を持つ渋野。そんな娘を持つ伸子さんに「どんな育て方をされたんですか?」と尋ねると「私は何もしてないんです。周りの方が育ててくれました」という答えが返ってきた。渋野が小学生のころから通っていたソフトボールチームの指導者や、中学の野球部の指導者、さらにゴルフ教室の指導者など、多くの大人との関わりと、それを温かく見守る伸子さんの姿勢が、渋野の伸びる力を育んできた。

どんなことがあっても、母の笑顔があれば

勝みなみの母・久美さんは、ゴルフ場で必ず見かける。常に一緒にいて、まるで姉妹のような仲の良さ。こちらは、ある時は運転手、ある時はマネジャー、ある時はキャディーとなって勝をサポートする。小学校の先生をやめ、勝のゴルファーとしての生活を支えている。

勝みなみ(2021年3月11日撮影)

常に一緒にいるが、勝が自分で考え行動することを一番に考えている。中学時代に全国のゴルフ強豪高校から誘いがあったときも、「地元の学校で高校生活も楽しみたい」という勝の決断を見守った。オフには一緒に大好きなプロレスを見に行ったり、コンサートに行ったりとともに楽しんでいる。

中学時代からプロになっても、勝はコーチをつけずに黄金世代のトップランナーとして一線で活躍している。自分で考えて行動することは、久美さんの笑顔の子育ての成果でもあると思う。そんな久美さんに「どんなことがあっても、母の笑顔に助けられる。笑っているだけで、自分はこれでいいんだと思える」と、勝は感謝している。

家族の力は大きい。特に母親の力は偉大だと、女子プロゴルフを取材していて思う。【桝田朗】

◆桝田朗(ますだ・あきら)1959年(昭34)8月14日生まれ。84年に入社し、大相撲、F1、サッカー、プロレス、K-1、総合格闘技、バスケットボールなどを担当。18年よりゴルフ担当。

(2021年5月12日、ニッカンスポーツ・コム掲載)

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