<競泳:日本選手権兼東京五輪代表選考会>◇6日◇東京アクアティクスセンター◇男子200メートルバタフライ決勝

男子200メートルバタフライで、瀬戸大也(26=TEAM DAIYA)が、1分55秒20の2位で代表に内定した。優勝した本多灯(ともる、19)とともに派遣標準記録1分56秒25をクリアした。これで個人メドレー2種目に続いて、3種目目の代表権を獲得した。19年世界選手権は同じ3種目に出場して金、金、銀のメダル3個を獲得した。東京オリンピック(五輪)でも、メダルラッシュの再現を目指す。

男子200メートルバタフライで東京五輪代表内定を決めるも浮かない表情の2位瀬戸(撮影・鈴木みどり)
男子200メートルバタフライで東京五輪代表内定を決めるも浮かない表情の2位瀬戸(撮影・鈴木みどり)

瀬戸は、隠すことなく本音を口にした。「このタイムで決まったのはラッキーでした」。ラスト10メートルで19歳本多に逆転されて、タイムも自身が持つ日本記録1分52秒53に2秒67及ばない。それでも2位に入って代表権をしっかり確保した。

活動停止明けの1月から急ピッチで調整。体重81キロに増えた体を絞りつつ、強い負荷の練習を重ねた。2月の復帰戦は優勝。しかしその後のレースでガス欠が続いて「ボロがでてきた。体調がめちゃくちゃ悪かった。だるくてだるくて」。

3月上旬に病院で検査を受けた。採血で糖の値が低いことが判明。猛練習が脂肪を削り、筋肉を削り、エネルギーを失わせた。浦コーチら「TEAM DAIYA」4人で改善策を練った。食事量を増やし、泳ぐ距離も1・5倍にしてゆっくり長く泳ぐ練習に変更。状態が戻り「皆でミーティングして導き出せた」と感謝する。

男子200メートルバタフライで優勝し2位の瀬戸(左)、3位の森本(右)と記念写真に納まる本多(撮影・菅敏)
男子200メートルバタフライで優勝し2位の瀬戸(左)、3位の森本(右)と記念写真に納まる本多(撮影・菅敏)

女性問題により昨年末まで活動停止。「自分がしたことなので、自分が悪いです」。ただ現実問題として直面したのは練習場。「浦コーチがいろいろコンタクトをとって臨機応変にしてもらった。大変だったと思う」。千葉県の水泳場では自費で練習する大学生2人と同じコース。練習の合間に話をして「自分でタイムを縮めようと頑張っている。そもそも自分はすごく環境に恵まれていた」と、ありがたみを再確認した。

3種目での東京五輪。19年世界選手権は金、金、銀だった。この日、夏に向けて「400メートル、200メートルの個人メドレーは金メダル。200メートルバタフライは(世界記録1分50秒73の)ミラーク(ハンガリー)が1人抜けているが、銀メダルはしっかりとりたい」と19年の再現を掲げた。今の体を7割として「夏までに勝負できる体に戻せる」と見通しを示した。【益田一弘】

日本バタフライの五輪メダル
日本バタフライの五輪メダル

(2021年4月7日、ニッカンスポーツ・コム掲載)