国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部、認知行動療法センター、日本ラグビーフットボール選手会のグループはこのほど、ジャパンラグビートップリーグの男性ラグビー選手を対象に実施した調査結果から、メンタルヘルスの不調の実態を報告した。

調査は2019年12月~2020年1月に実施された。回答した選手251名(回答率41.8%)のうち、32.3%(81名)が過去1カ月間に心理的ストレスを、4.8%(12名)がうつ・不安障害の疑い、5.2%(13名)は重度のうつ・不安障害の疑いに相当する状態を経験(重度とは、社会機能に支障をきたす程度)。また、そのうちの7.6%(19名)は過去2週間に希死念慮(自分の人生を終わらせることを考えること)を経験していたことが明らかになった。

国立精神・神経医療研究センターHPより

何らかのメンタルヘルスの不調(心理的ストレス~重度のうつ・不安障害の疑い)を抱える選手は、回答した選手の2.4人に1人の割合で、不調のない選手に比べて「疲労、食欲の変化、体重の変化、睡眠の問題、お酒関係のトラブル、経済的な変化、試合に出られなかった、競技力の低下、引退後の生活について考えた」といった経験や体調の変化を高い割合で経験していた。

海外の先進諸国では近年、アスリートのメンタルヘルス支援策に関する議論がさかんに行われているが、日本でアスリートにおける専門的支援が必要な状態を含めたメンタルヘルス上の課題について、国際学術誌で報告したのはこれが初めて(1月29日、International Journal of Environmental Research and Public Healthに掲載)。

海外アスリートと同様に、日本のラグビー選手でもメンタルヘルスの問題は珍しくないことを示しており、日本でも、アスリートのメンタルヘルス支援の整備を検討する必要があると考えられる。