<「生理をタブー視しないで」女性オリンピアンの主張(3)>

女性アスリートにとって避けては通れない「生理」に言及する選手が増えている。バレーボールのオリンピアン大山加奈さん(36)が、その経験から今、発信したいことを伝える。

アテネ五輪バレーボール女子日本代表の大山加奈さん(所属事務所提供)

充実した人生を歩むために

2004年アテネ・オリンピック(五輪)バレーボール女子日本代表の大山加奈さんは、おなかにいる双子の赤ちゃんと対面する機会を心待ちにしている。不妊治療を経て待望の妊娠が分かり、現在9カ月目を迎えた。母子共に健康に過ごす日々を感謝するからこそ、現役アスリートから生理についての問題提起される動きを歓迎。競技を終えて充実した人生を歩むために、現役時代から体調面の気配りが欠かせないと訴える。

「(生理について)プレーに支障が出るほど悩んだことはなかった」という大山さんだが、重い生理で貧血や吐き気を催す選手を目にする機会も少なくなかったという。

いくらきつそうにしていても、コートの中で弱みを見せまいとプレーする。そんな仲間の存在を当時から心配しつつも、どう声を掛ければよいか分からなかった。今では「目先の勝利ではなく、将来のことを考えて自分を守ることが一番大事だと思います」と力説する。

04年8月、アテネ五輪・女子バレーの韓国戦でスパイクを放つ大山加奈

激しい上下移動を繰り返すバレーボールは、普段から体に大きな負担がかかる。生理中ならなおさらだ。「他の競技より練習時間が長い傾向にありますが、ひどい生理痛の時には集中力が続きません。プレーにも体にもメリットはありません」。生理と向き合いながら競技を続ける上で、指導者のサポートが必要不可欠。個々の選手の体調を考慮しながらメニューを組み立てるなど、柔軟な指導を心掛けてほしいと訴えた。【平山連】

◆大山加奈(おおやま・かな)1984年(昭59)6月19日生まれ。東京都江戸川区出身。小学2年生からバレーボールを始め、小中高全ての年代で全国制覇を経験。成徳学園(現下北沢成徳)時代には、日本代表主将荒木絵里香らと3冠を達成。高校在学中から日本代表入りし、力強いスパイクを武器に「パワフルカナ」の愛称で親しまれた。10年に引退後、競技普及を目的に全国で教室や講演をするなど多方面で活躍している。

(2021年1月30日、ニッカンスポーツ・コム掲載)