<医療ライター・しんどうとも「メンタル回復法」(29)>

コロナ禍では、コロナウイルスに感染することを心配する人、時短や解雇などで生活不安を抱える人などさまざまだが、ストレスの受け止め方もまた一律ではない。基本的には体力が大事。「パンデミックブルー(感染爆発不安)から心と体と暮らしを守る50の方法」(亜紀書房)の著者で、杏林大学名誉教授・精神科医の古賀良彦さんはこう話す。

「ストレス耐性といって、ストレスに強い人、そうでない人というように個人によって差があります。ストレス耐性には、体が丈夫かどうかが基本的な条件です。やっぱり体力のあるほうがいいですね」

筋力や持久力と体力といってもいろいろだが、それがないからとあきらめる必要はない。

「まずは自信をつけることです。できればお金のかからない公営の運動施設などへ足を運んでみましょう。タオル1本持っていけば結構楽しめるものです。食わず嫌いの人も試しにやってみると、だんだん面白くなっていき、結果として体力をつけられると思います」

古賀さんによれば、たとえ体力のない人であっても、その気持ちの持ちようで変わる。「“ほかの人ができるなら自分もできるんだ”というように思えてきたりする。体を動かし、自信がつけば大丈夫」。

また、性格的には内向的で他人とコミュニケーションすることを避ける人は要注意。ふだんから閉じこもりがちな人は気をつけよう。何事も積極的にチャレンジする気持ちを大切にしてほしい。

(2020年11月30日、ニッカンスポーツ・コム掲載)