バドミントン女子シングルスの奥原希望(25=太陽ホールディングス)が29日、自身のブログを更新し、中高生へ熱いメッセージを送った。

8月の全国中学校体育大会やインターハイの中止が決定。インターハイで連覇を成し遂げているだけに、中高生にとって重要な大会がなくなる辛さを理解する。「目標としている舞台が次々と失われていく今、みんなは何を考え毎日を過ごしているのかな」と問い掛けた。

奥原 想像することは出来る。悔しい。なんでこのタイミングで。この先どうしたらいいの。せっかく乗り越えてきたのに…。積み上げてきたものを全て知っているのは自分だけ! どんな思いで、どんな熱量で今まで過ごしてきたのか。

奥原希望(19年7月撮影)

東京オリンピック(五輪)は1年延期となったが、練習ができない環境や大会がなくなり、不安な毎日を過ごしているのは自身と同じなのかなと感じながらも「想像はできても完全な理解は得られない。当事者ではない他人がどんなに頑張って理解しようとしても、彼ら、彼女らの気持ちを全て理解することは出来ない」と後輩たちの心中を察した。

一方で奥原らしく「しんどい時だけど自分で考えて解決・納得して次に進むしか道はない」と前向きなメッセージも送った。

奥原 今の中学生、高校生しかこのやり場のない悔しい思いを感じていない。僕たち、私たちしかこの貴重な体験は出来ていない! 誰も、しよう、したいと思った経験ではないかも。でも人生ってそんなもん。うまくいかないし、順風満帆な道なんてない。毎回試練が訪れて、そのたび神様に試されている。

奥原自身も高校時代に膝の手術を行うなど、何度もケガから復活してきた経験を持つからこそ、自信をもって言える。

奥原 今までやってきたことを試す舞台がなくなったけど、積み上げてきたもの、仲間たちと乗り越え深めてきた絆、磨き上げてきた技術、メンタル、思考は残っている。みんなはその競技を通じて、いろんなことを考え、工夫しながら行動し、辛いことや苦しいことからも逃げずに立ち向かってきたと思う。今までやってきたことは決して無駄ではないし、これから先絶対に生きてくる。

奥原希望(19年11月撮影)

さらに奥原はこの時期にしかできない経験を考えるだけでなく「行動を起こし、物事を感じ、考えて経験して欲しい」と将来に向けたアドバイスも述べた。

奥原 コロナウイルスで悔しい思いをしたから、薬をつくれる人になりたい、と思う人もいれば、政治、経済、聞き慣れない話に、自分ならこうしたい! と考えている子もいるかもしれない。今回のこの経験、感じた想いをプラスのエネルギーにして、明るい未来、日本を支えて欲しい。

奥原希望(19年7月撮影)

奥原は普段から、自分の夢だけでなく、たくさんの人に支えてもらった感謝や、小学生から大人まで、バドミントンの発展を常に考えながら行動する。

奥原 この先の人生に正解はない。自分の心と向き合い、自分の中にしかない答えを見つけ前に進んでいって欲しい。必ずこの経験があったから今があると思える日が来ると思う。

「何か心に止まるきっかけになってくれたら」と書きつづった1600字の熱いメッセージ。受け取った中高生たちが、日本の未来を担っていってくれることを奥原は願っている。

(2020年4月29日、ニッカンスポーツ・コム掲載)