夏休みが近づいてきました。学校部活動で活動する中高生にとっては大きな節目の時期となります。

この時期、勝ち残ったチームはこの先も上位大会がありますが、負けてしまうと、中学・高校での活動が終了するという3年生が多いことでしょう。いわゆる代替わりが行われ、下級生がチームの中心になり、自分のことだけでなくチーム全体を率いる立場になる人がでてきます。

人は役割を与えられることで、それらしく成長してくるものだなと常々感じます。それは学級経営でも部活動でも家庭でも同じです。大人は“任せる”ことが大事です。

口では「任せた」と言っておきながら、すぐに心配になり、横から口出しするようではいけません。それでは子どもの自覚が育ちません。

「結局任せてくれていない。自分で考えて決めても、きっと先生(親)が決めた通りになる」と、役割を果たさなくてもいいと感じ、責任をもってやろうという意識が育たなくなるのです。「うまくいかない時は相談にのるよ、だからやってみて」と役割を任せ、時々進捗状況確認し、必要なアドバイスだけをするようにしましょう。

選手同士、あるいは家族内での話し合いでも、時にぶつかることもあります。それは大事なことで、ぶつかり合うことをネガティブにひとくくりにしてはいけないと思います。それによって互いの考え、思いの強さが分かり合えるからです。

中高校生は日々、大人になっていきます。その過程で自分の役割を果たすことを経験しながら、少しずつ自覚が芽生え、学び、育っていくのです。

今回は「アサリとキュウリのすりながし」を紹介します。「すりながし」とは、野菜や魚介などの食材をすりつぶし、だしでのばした日本の伝統料理です(※1)。和風のポタージュといったもので、ポタージュが野菜なのに対し、すりながしは魚介や肉なども使うのが特徴です。   今回のレシピはキュウリ、アサリ(加熱済みの冷凍アサリ=※2)、木綿豆腐が主材料です。ミキサーやハンドブレンダーを使えば、あっと言う間にでき、火も使いません。

1人分で13g以上のタンパク質がとれます。増量中であればゴマ油を追加してもいいでしょう。保冷の効くボトルに入れれば、ちょっとした時間に補食として飲むことも可能ですね。

日頃は噛む力を養うことも大切ですが、夏は食欲も落ちがちです。そんなときは「アサリとキュウリのすりながし」で必要な栄養素をしっかりとって、暑さを乗り切りましょう。

※1=すりながし協会(https://surinagashi.com/about/
※2=生のアサリを使うときは加熱処理をしてください

管理栄養士・月野和美砂