4月に入り、中学校や高校では入学式を終えた頃でしょうか。学校生活や部活動が始まった人、また新たにクラブチームでの活動が始まった人もいると思います。

部活動やチームへの期待は大きいと思います。部でも、クラブチームでも強いチームに入り、その世界で名の知れた指導者がいる場合、「うまくしてもらえる」「強くしてもらえる」と思っている人はいませんか? それでいいのでしょうか。

全国強豪校の指導者の話

昔、ある競技の強豪校の先生との話を思い出します。その方は、その競技で全国大会に出場するだけでなく、全国優勝する指導者で、「入部希望の新入生1人ひとりと入学後、すぐに面談をする」と言っていました。新入生との面談で何を話すのだろうと思っていたら「自分がこのチームを全国大会に連れて行く」という気持ちになってもらうためだということでした。

先生の話はこうでした。

入部したての選手は「この指導者についていけば全国大会に“連れて行ってもらえる”」という気持ちでいる。それでは全国大会へ出場し、さらに勝つことなどできない。そのために入学したてのときに、これからの生活を「してもらう」ではなく、(自分が)「する」という意識を持たせる、ということでした。

このような意識を持った選手は日々、主体的に練習に取り組むようになるそうです。

現在のスポーツ界を見渡すと、一昔前とは違い、スパルタ指導の時代ではなくなっています。それは良い反面、昔以上に成長差が開くようになってきているとも感じています。

スポーツに限らず、自分から取り組むのとやらされるのでは伸びが違います。自分がどうなりたいのか、そのために今の生活の中でどんな行動が必要か。競技の練習だけでなく身近なことも、子どもたちが自分で考えて行動できるように大人がサポートしていかないといけませんね。

今回は春が旬の野菜を使った「スナップエンドウと新タマネギのツナサラダ」です。

スナップエンドウはグリンピースの改良品種で、さやごと食べられます。アメリカで育成されたる品種で、さやと実の両方を楽しめます。

正式名称は「スナップエンドウ」

「スナックエンドウ」という呼び方もありますが、1983年(昭和58年)に農林水産省により名称が統一され、正式名称はスナップエンドウとなりました(※1)。

葉物野菜などと比べると、豆もある分タンパク質もありますし、βカロテンやビタミンC、食物繊維があり、抗酸化作用、免疫力の維持にも働いてくれます。野菜と豆類が一緒になったような食材です。

新タマネギは普通のタマネギとは違い、収穫後に乾燥させずすぐに出荷したものです。新タマネギは春先だけ出回り、やわらかく辛味が弱いので生食にも向いています。タマネギの辛みの元になる成分である硫化アリルも豊富に含まれます(※2)。

硫化アリルには抗菌作用があり、消化液の分泌を促進、また体内でビタミンB1が糖質をエネルギーに変えるのを助けます。新タマネギなら辛みも弱く生食しやすいため、普通のタマネギが水にさらされる中で失われる成分もしっかり摂れ、水にさらす手間もありません。

スナップエンドウのヘタや筋を取ってゆで、タマネギはスライサーで、ツナ缶を開けて合わせれば1品できてしまいます。春が旬の2つの食材をつかった「スナップエンドウと新タマネギのツナサラダ」は食卓での話題にもできるのではないでしょうか。

自分でやる、という姿勢は生活のすべてに関わってきます。家庭生活の色々な場面で子ども自身が考え行動する場面を少しずつ増やしていきましょう。

※1=スナップエンドウ - 農政課 (ibusuki.lg.jp)

※2=新タマネギと普通のタマネギの違いについて教えてください:農林水産省 (maff.go.jp)

管理栄養士・月野和美砂