「合宿」は、複数チーム合同で試合中心のところもあれば、単独で実施するところもあり、チームによって目的やスタイルは様々です。私が夫とともに指導をしているバレーボールクラブの合宿は「生活面をしつける場」という側面が大きく、練習そのものは特別普段と変わりません。

食事では、必ず交代制で当番があります。子どもたちを数人のグループに分け、各グループに必ず上級生か、合宿に慣れている子どもが入るようにします。

当番の仕事は、食事の配膳、準備ができたら先生を呼びに行く、「いただきます」の号令、号令前に恒例の「今日の献立のメニュー説明」、スポーツ栄養面のポイントの説明、食後の食堂の片付け、食器の片付けなど、できるだけ選手自身で行う機会を作ります。

台ふきで食堂のテーブルを拭いている姿を見れば、家庭で家事をやっているかどうかが分かります。家庭での家事労働に関わっている子どもは、よく気が付くのです。

また、子どもたちだけで配膳をやらせると、意外とできない子がいます。ご飯と汁物の位置、箸の向きを合宿で学ぶ子どももいます。

スポーツの合宿は、プレーの面だけでなくこのような生活面(食事面)の学習の場にもなります。せっかくスポーツをしているなら、それを通じて様々な学習ができるのが理想です。

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