アスレシピの弁当企画「みんなのお弁当」を授業に取り入れた大学がある。神戸女子大学健康福祉学部健康スポーツ栄養学科の坂元美子准教授の授業「スポーツ栄養クッキング」では、スポーツ選手の献立作りをしながら、最終的にお弁当の形に落とし込もうとしている。

授業は4月~7月にかけて、献立作成・発表、調理実習と進んでいく。

献立は、「体作り期」「試合期(グリコーゲンローディング)」「減量時」「女性アスリート」の4つに分かれ、栄養素別に数値が決められている。生徒たちは、それに基づいたメニューを栄養計算しながら、学生ならではのオリジナリティーを加えて、3食+補食の献立を考えていた。

熱心に献立作りをする神戸女子大学の生徒たち

「試合期」を担当する佐々木晴香さん(3年)は、シーズン中、体重が落ちやすい26歳のプロ野球(外野手)をイメージしながら考えていた。ポイントはご飯の量。「ご飯をしっかり食べられるようなメニューにしています」。実際に、シーズン中に体重が減るという選手が「チーズバーガーを食べて体重を戻した」というコメントを聞き、「体重は戻ったとしても、その後のパフォーマンスに響いてしまう。自分が考えたメニューをぜひ食べて欲しい」と意欲的だった。

膨大な栄養計算は手書きで

「体作り」の献立を作っていた大橋充さん(3年)のモデルは、サッカー部の高校生男子(170センチ、64キロ)。学校から自宅に帰るまでに、コンビニやカフェで間食をしがちという設定だ。「家においしいご飯があったら(間食を)我慢してくれるんじゃないか」と、豚肉のショウガ焼きと野菜をたっぷり食べられるメニューを考案していた。

考えた献立をプレゼンテーション資料に落とし込む

難しいのは「減量時」のメニュー。1日3食+補食で1600kcalの男性アスリートの献立を作っていた浜田奈穂さん(3年)も悩んでいた。タンパク質量を上げると、エネルギーオーバーしてしまう。「ヨーグルトや牛乳は無脂肪乳にして、カルシウムはシシャモから。ご飯は玄米にして、コンニャクやシラタキを加えて炊いて、かさ増しして…」。

発表会には現役Jリーガーも

献立発表会には、外部講師として現役のJリーガーを招き、発表に対するコメントをもらった。また、食事提供の内容や現在、選手自身が栄養摂取について意識して行っていることなどについても話を聞いた。

現役Jリーガーが見守る中、発表は進む

生徒が「どんな栄養士さんがいたらよいですか?」と質問すると、「自分の体を安心して任せられることができて、否定するのではなく、選手の意見を尊重しながら、指導をしてくれる栄養士さんを希望します」との答えをもらった。生徒にとってはもちろん、選手にとってもこの発表会は、普段の食事に参考になったようだ。

各生徒が作った献立はプレゼンテーションを経て、各テーマ1つずつが選ばれた。今後はいよいよ調理実習に入る。さて、どんなお弁当が出来上がるのか、完成報告が楽しみだ。