私は2019年から、静岡で初めてのプロバスケットボールチーム、B3「ベルテックス静岡」の選手への食事指導や、地域のジュニアアスリートの親、指導者への食育活動をお手伝いしています。現在はチーム主催で、主にジュニアアスリートを支える保護者の方向けの「スポーツ食育セミナー」も定期的に開催しています。

先日、3回目を実施したのですが、そこで194センチ(公式プロフィールは193センチ)の山下颯選手から幼い時の生活について聞きました。「背を伸ばすため」の幼い頃の話は、参考になることが多かったので、ご紹介します。

練習するB3ベルテックス静岡の山下颯選手
練習するB3ベルテックス静岡の山下颯選手

ご両親の教育方針・口癖など

・「時間と作法」に特にうるさかった。
・親から残さないように「厳しく」言われていた。
・幼いときは朝食はパン食だったが、スポーツを始めてから「主菜・副菜をしっかり食べるように」ということで、ごはん食になった。
・その後、食事としてパンをあまり食べなくなった。
・四角いチーズが好きで小学校の時、おやつによく食べていた。
・幼い時に、うるさく言ってくれたおかげ。
・身体の土台が幼い時にしっかりできて本当にありがたいと思っている。

好き嫌いはあっても残すことは許されず、自然となんとか食べられるようになっていきました。

ご両親の身長

・父185センチ、母168センチ
・身長は高いが、遺伝は30%だといわれて育ったため、生活や食習慣を、親も自分も意識してきた。

子供のころの生活

・3歳から水泳、体操をしていた。小学校では書道、少林寺拳法も。
・水泳は週2回やって将来は水泳選手になりたかった(卒業文集にも書いていた)。
・水泳をやっていた時から、昼寝をさせられていた。

水泳練習後の補食

・ファストフードの会社が経営するスポーツクラブだった関係で、進級テストのたびにハンバーガーのタダ券がもらえた。

自然に、練習後のエネルギー補給(ハンバーガー)ができていました。
現在のジュニアアスリートの一番の課題は、消費エネルギーに対して、摂取エネルギーが足りていないことからくる「利用可能エネルギーの不足」が、全ての課題に影響しています。

シュートに行く山下選手
シュートに行く山下選手

バスケとの出合い

・中学に入って友人がバスケ部の見学に行きたいと言って、付いていった。
・1個上の仲がいい先輩がバスケ部にいて「おいでよ」と誘われた。
・水泳部は冬の間、トレーニングばかりでキツイなと思って、バスケ部に決めた。
・そうはいいながらも、サッカーばっかりやって遊んでいた。

さまざまなスポーツに取り組んでいました。

身長の伸び方

・19時からごはん、20時から宿題。その後お風呂に入って、21時には寝る生活だった。
・小学校卒業時で168センチ。
・小学校では1カ月で2センチずつ伸びていた。
・中学卒業時で188センチ。
・高校2年で192センチくらいで止まったと思ったら、今は194センチ。ずっと伸び続けていた感じ。
・成長痛は、高校まで膝がずっと痛かった(中学ではアキレス腱も痛かった)。

以上のことから
睡眠が大事
エネルギー補給、タイミングの大切さ
幼い頃、半強制的に身体で生活習慣を覚えれば、大きくなってから食事調整ができる
ということが分かります。

現在も、体組成測定や疲労回復などの栄養指導を継続的に行っていますが、幼い頃の土台があるからこそ、自分の体の変化を数値と感覚両方で調整していく習慣が、この選手にはついています。

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