以前サポートしていたチームの卒業生から「遠州森町特産治郎柿」をいただきました。皇室献上柿を栽培する農園の柿ということで、色つやがとてもきれいで、味もとてもよく、「柿はあまり好きじゃない」と言っていた選手も、「あれ? おいしい!」と食べるほどでした。

やはり季節のおいしい果物を食べると、みんな笑顔になります。心の栄養にもなりますね。果物は選手にとってもエネルギー源になるほか、疲労回復、免疫力アップ、コンディション調整も期待できます。特に、激しいトレーニングをするアスリートには必要な栄養素がたくさん含まれています。

家庭で食べる習慣が薄れている

ところが、9月に公表された平成29年「国民健康・栄養調査」によると、1日あたりの果物摂取量は、7~14歳で91.5g、15~19歳が79.5gと、中学生年代よりも高校生年代の方が少なくなっています。その保護者年代を見ると、30代が52.1g、40代62.2gとさらに減っており、家庭で果物を食べる習慣がなくなっている状況が見て取れます。

選手や保護者に話を聞くと、「野菜は意識して食べているけど、果物を毎日食べることはなかなかできない」という声が多数。選手たちに食事を提供した際も、スタッフが用意した果物の多さに、保護者から「こんなに果物を用意して予算は足りているんですか?」と驚かれたこともありました。

その裏には「果物は値段が高い」とのイメージがあり、「選手のためなら買うけど、家族全員分を用意するとなったらメインのおかずよりも金額が高くなってしまう」といった本音も。

つまり、「添え物」「デザート」といった意識だと“高価”に感じられますが、アスリートにとって必要なもの、ここから体や心の栄養をとる、と考えを変えてみたらいかがでしょうか。トレーニングで過度のストレスがかかった選手も体の回復とともに、心もリフレッシュ、気分転換ができると思います。

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