<イップスって何?(23)>

日本イップス協会の講習会では、「質問型」というコミュニケーション方法が紹介されました。指導者が質問を重ねて、選手の考えを導き出す方法です。

監督役 最近、調子はどうだ?   選手役 ストライクを取るのに苦労しています。

監督役 そういうこともあるよな。自分ではどんな理由だと思ってる?

選手役 腕の振りばかりに気を取られていると思います。もっと下半身を意識してみようかと。

監督役 どうしてそう思った?

選手役 うまく投げようと上半身ばかり気になっているかなと思いました。

監督役 下半身が安定すれば、どう変わってくるだろう?

選手役 リリースポイントが安定して、まとまってくると思います。

監督役 試してみたらいいよ。あとは、オレも投手をやっていたけど、骨の動きを意識するといいと思うよ。自分の考え通りにやってみて、また報告してよ。

講師役を務めた林俊一氏は「質問を繰り返すことで、相手の考えをまとめていきます。自分で答えを導き出せるように促していく。こちらからの提案は最後にします。営業などビジネスで使う手段ですが、イップスを未然に防ぐ指導にもリンクしている部分が多いと思います」と効果を説明してくれました。【飯島智則】