<イップスって何?(22)>

イップスを防ぎ、また克服するためには指導者の役割が重要になります。イップス研究所の河野昭典所長(60)は、そう考えて「日本イップス協会」を設立しました。定期的に講習会を開き、トレーニング法や体のこと、さらには指導法などを学んでいます。

規定の講習を終えた後で試験に合格すると、協会の認定トレーナーになれます。各地の指導者や医療関係者、さらには個人的に興味を持って勉強に臨む人も集まってきます。

河野所長は「認定トレーナーは50人までと考えています。目安として各県に1人、本当の意味で理解してくれる人がいてくれればと思っています」と言います。研究所でイップス克服を指導するだけでなく、その考え方を広めていこうという試みです。

2月の講習会は2部制で行われました。午前の部は認定トレーナーが集まり、実践的な講習をしました。トレーニング方法に続いて、「質問型」というコミュニケーション方法が紹介されました。指導者が選手に対し、質問を重ねて会話していく方法です。自分の意見を押し付けるのではなく、相手が自ら答えを導き出せるよう促していきます。講習会では、指導者役と選手役が前へ出て会話を実践しました。【飯島智則】