<イップスって何?(2)>

 イップス研究所の河野昭典所長(59)は、長年イップスを研究しています。

 河野所長 イップスに悩む人は増えていますね。私はイップスだけで5000以上の例を見てきましたが、ここ10年で数十倍といっていいでしょう。

 イップスとは何か?

 「簡単に説明すると『今までできたことが急にできなくなる』。スポーツだけでなく、生活習慣の中でもあります」。

 具体的な症状は?

 「語源になったように、ゴルフのパッティングで震えが出る。野球で簡単に届く近い距離で、力加減ができない。ギクシャクした動きになってしまう。手や指先に力が入らない…症状はいろいろあります。自分の体が思うように動いてくれない状態です」

 スポーツ以外には?

 「うちには、そば打ちの名人が来たこともあります。思うように打てなくなったと。演奏家や、美容整形の先生がメスを持つとふるえてしまうケースもありました。作家がペンを持てない。会社に行けない…電車に乗ると具合が悪くなる。これも以前はできていた行動ですから、イップスと呼んでいいでしょう」

 誰でも起こる症状と言えます。日本の誇るスーパースターが、イップス経験を告白したこともありました。【飯島智則】