ボクシング4階級制覇王者のWBOスーパーフライ級王者井岡一翔(32=Ambition)に浮上した大麻疑惑報道で、井岡は「CBDオイル」の使用を明らかにした。CBDオイルとは、どのようなものなのか。

20年12月、WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチで田中をTKOで破りチャンピオンベルトを腰にポーズをとる井岡

CBDオイルはインターネット通販大手のサイトでも多種多様な商品が出品されている。CBDはカンナビジオールの略で販売サイトなどによると大麻草の日本では規制されていない成分を使っており「合法」だとしている。使用方法はオイルを舌の裏に数滴垂らし、毛細血管から吸収させたり、電子たばこのように吸引するタイプ、カプセルタイプなど複数紹介されている。超高濃度という商品は30ミリリットルで約2万5000円だった。

CBD関連商品のオイルやグミ、肌に塗るバームなどは最近、複数の格闘家が使用している。激しい練習やスパーリングなどで疲弊した筋肉や体の痛み、けがを緩和したり、精神的にリラックスしたりする目的で使っていることが多いとされる。米国の総合格闘技選手でCBD利用者が増えており、日本でも自身のSNSなどで練習後や睡眠前などのCBD摂取を記述している格闘家も目立つ。格闘家のスポンサーをしている日本のCBD販売代理店もある。

一方、CBDオイルをめぐっては、昨年7月に厚労省が、埼玉県内の専門商社が販売するCBDオイルから、テトラヒドロカンナビノール(THC)を検出したと発表。大麻取締法上の「大麻」に該当する疑いがある製品として所持者に提出を求めた。関東信越厚生局麻薬取締部は、輸入された個別の商品からTHCが検出された場合、「『大麻に該当する』ものを輸入したものとして大麻取締法に基づき処罰を受ける可能性があります」と注意喚起している。

都の福祉保健局健康安全部の薬務課では、CBD関連商品を購入し、違法成分が含まれていないか調べるなどとしている。【沢田直人】

■国立精神・神経医療センター依存性薬物研究室の舩田正彦室長の話 大麻には多くの成分が含まれているが、代表的なものが2つある。1つはデルタ9テトラヒドロカンナビノール(THC)で幻覚や多幸感という精神作用があり、乱用の原因成分と考えられている。もう1つがカンナビジオール(CBD)という成分で精神作用がなく乱用されないと考えられている。 CBDは、難治性てんかんに対する医薬品として米国などで使用されている。難治性小児てんかんに効果的な医薬品は少ないため、脚光を浴びている成分である。 ただ、国外から日本に輸入されて流通しているCBDオイルなどの商品には、日本の国の審査を受けていないものがある。内容物にCBDがどれだけ入っているか、THCが入っているか、あるいは有害な重金属などの混入がないかも不明なため、慎重な対応が必要である。

(2021年4月27日、ニッカンスポーツ・コム掲載)