毎日の食事作りは短時間で効率よく行いたいもの。アスリートの食事はボリュームとバランスを考えると、量も品数も多くなり、特に朝は弁当作りから朝食の準備とコンロがいくつあっても足りない状況です。そこで活用したいのが「魚焼きグリル」です。
最も火力が強い調理器具
魚料理を作る機会が少ない方は、使わずじまいになっていませんか。ビルトインの場合、配置場所からして目につかず、洗うのが面倒、食材に魚の臭いがつきそうと、使うのをためらいがちですが、実は家庭にある調理器具の中で最も火力が強く、一気に料理を仕上げてくれる優秀な器具なのです。魚を焼くだけではもったいない! ということでグリルの利点や使用のヒントをお伝えします。
調理時間が短い
食材を近くで、直火で焼くので、早く焼き上がります。焦げ目も、電気で焼くオーブンレンジやトースターより早くつきます。素早く焼き上げることで、中の水分を残しつつ表面がカリッとするので、ピザやトーストがよりおいしく焼けます。
栄養素が壊れにくい
加熱時間が短くなることで、熱に弱いビタミンCが食材に多く残ります。焼く調理法は、茹でたり炒めたりするより食材の水分が減り、甘みやうま味が濃縮されておいしさも増します。
油脂を減らしヘルシーに
焼くことで、食材から余計な油脂が出るので、エネルギーを減らすことができます。アルミホイルやグリルシートを敷いたり、フッ素樹脂加工のグリル用プレートを乗せたりすれば、ノンオイル調理が可能で、グリル自体が焦げ付くこともなく、洗い物も減らせます。
同時に複数の料理ができる
アルミホイルやアルミカップを使うと、少量ずつ異なった食材や味付けの料理を一度に加熱することができます。弁当の具材を調理するのに時短になり、そのまま容器ごと弁当箱に入れることも可能です。アルミホイルやグリルシートで包んで蒸し料理もできるので、野菜の蒸し物など副菜も一緒に調理できます。
煮物やダッチオーブンにも
メーカーにもよりますが、最近の魚焼きグリルはワイドタイプ、両面焼き、水不要が主流になっています。ワイドタイプならピザも焼け、両面タイプならひっくり返す手間もなくより短時間で加熱できます。専用の器具を使うと煮物もでき、ダッチオーブン(キャンプなどで使う蓋のついた直火で使用する鍋)としても使用できます。
ただし、焼き終えて放置すると、食材から出た臭いがまた食材に吸収されてしまうので、加熱後はすぐに取り出しましょう。とにかく調理が早いので、タイマーを利用して加熱のし過ぎに注意しながら、便利に使いこなしましょう。
【管理栄養士・今井久美】