<東京五輪がやってくる>

競泳日本選手権が10日まで行われ、東京オリンピック(五輪)代表33人が決まった。メダルを量産する花形種目の選手たちには、どんなつながりがあるのか。

競泳は所属、大学に加えて、スイミングクラブ(SC)の存在が特徴的だ。トップ選手は少人数グループで練習を行う。それがSCの先輩、後輩ということも多い。競泳日本代表「トビウオジャパン」が、チーム一丸で戦える秘密がここにある。【取材・構成=益田一弘】

トビウオジャパン人物相関図
トビウオジャパン人物相関図

東京五輪代表は、11日から代表合宿をスタートさせた。4大会連続の31歳、入江は「初代表は、周りからちやほやされる。一番大事なのは五輪で結果を出すこと。地に足をつけるように後輩に伝えたい」と話す。個人競技だが、チームを感じさせる雰囲気がある。

競泳の特徴は全国にあるSC。日本代表でも「イトマン」「セントラルスポーツ」「東京SC(スイミングセンター)」に多くの選手が関係する。東京SCは平井コーチ-北島康介のタッグで金4個。その系譜は佐藤翔馬に受け継がれる。

大学のつながりもある。池江璃花子の日大は「フジヤマのトビウオ」古橋広之進氏らがOBで、長谷川、本多らも代表入り。東洋大の通称「平井チーム」は萩野、大橋、青木、酒井ら。早大出身組に中村、瀬戸、渡部ら。しかも選手たちは学校、所属、SCなど複数の関係性でつながっている。

トビウオジャパン人物相関図(一部抜粋)
トビウオジャパン人物相関図(一部抜粋)

日本水連は小学生の全国大会、世代ごとの強化合宿を行うため、有望選手は小さいころから顔見知りでもある。12年ロンドン五輪での松田丈志氏の名言「康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」もつながりのたまものだ。東京五輪では、どんなつながりがスパークするのか、注目される。

(2021年4月15日、ニッカンスポーツ・コム掲載)