運動のしすぎだけでなく、荷物の運搬や同じ姿勢での作業を続けていると、腰や関節が痛くなることがあります。これらは筋肉疲労によるもので、疲れをためずに作業する工夫も必要ですが、食事面からも改善していきたいものです。腰や関節に負担をかけ過ぎて痛みがでた時に、積極的に摂った方が良い栄養素を紹介します。

ビタミンB1

抹消神経や中枢神経の維持に必要で、不足すると神経炎などが起こります。また、糖質の代謝に必要なビタミンで、強度の高い運動により必要量が増加します。豚肉、玄米や胚芽米、豆類、ウナギや魚類、ナッツやゴマ、海藻類に多く含まれます。

ビタミンB6

タンパク質の代謝に必要なビタミンで、神経伝達物質もタンパク質から作られているため不足しないことが大切です。神経細胞の興奮を抑える働きもあるため、不足するとけいれんを起こすことがあります。レバーや、マグロなど赤身の魚、ナッツやゴマ、ニンニクなどに多く含まれます。

ビタミンB12

末梢神経の修復に関与するビタミンで、筋肉の疲労回復にも必要です。赤い色をした「痛み対策のビタミン」とも言えます。レバーなど肉類やサバなど魚類といった動物性食品に多く、卵、チーズなどにも多く含まれます。ベジタリアンは不足しがちな栄養素なので、注意しましょう。

ビタミンE

毛細血管を拡張し、血流を良くするビタミンです。不足すると神経障害が出ます。逆に言うと、血流が良くなれば、抹消神経障害が改善します。脂溶性のビタミンで、ナッツやゴマ、ウナギ、魚卵、カボチャ、小麦胚芽などに多く含まれます。

腰痛や関節痛の予防には、日頃からカルシウムやタンパク質を摂ってトレーニングをし、腰や関節を支える骨や筋肉を強化しておくことが重要です。トレーニングは正しいフォームで行い、腰や関節への負担を減らしましょう。それに加えて食事の面からも、痛みを予防・軽減し、快適な運動ライフを楽しみたいものですね。

ただし、極度の痛みが出た場合は、専門医で治療することをおすすめします。

【管理栄養士・今井久美】