<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

エリンギは地中海沿岸から中央アジア原産と言われるヒラタケ科のキノコです。エリンギウムというセリ科の植物が枯れたところに生えるので、この名が付いたと言われています。日本では自生していないため歴史は浅く、1990年代から人工栽培が始まりました。

コリコリとした食感がアワビに似ていることから「白アワビタケ」と呼ばれることもあります。輪切りにするとホタテに似た食感です。くせがないので、どのような料理にも合います。

軸が白くて太く、弾力があるものが良品です。カサが開ききっておらず、裏側のきめが整っているものを選びましょう。鮮度が落ちると食感が悪くなります。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
エネルギーは100gあたり19kcalと低いですが、ビタミンD、ビタミンB群、カリウム、リン、亜鉛、銅、食物繊維などが豊富に含まれています。

注目成分はβグルカンです。βグルカンは食物繊維の一種で、鉄吸収を促進することや、免疫細胞を活性化することが知られています。また、糖の吸収を穏やかにします。

カルシウムや鉄の多い肉や魚と組み合わせると、より力を発揮します。切り方によって食感が違うので、料理に合わせて変えるとより楽しめます。水洗いはせずに、汚れをふき取って加熱調理しましょう。

期待される健康効果は、便秘予防、ガン予防、風邪予防、生活習慣病予防、疲労回復、骨粗鬆症予防、貧血予防、免疫力向上、血糖値の急上昇抑制などです。

保存するなら
他のキノコと同様に水けを嫌います。保存する場合はキッチンペーパーなどに包んでから、ポリ袋などに入れて冷蔵室で保存します。1週間ほどで使いましょう。

冷凍する場合は、使いやすい大きさにカットしてから保存袋に入れて冷凍します。1カ月ほどで使いましょう。

天日干しするとビタミンDが増加します。縦にさいてザルに並べ、裏返しながら3日ほどで乾燥します。乾燥剤と一緒に保存袋に入れて保存し、1カ月ほどで使いましょう。

【管理栄養士・高木小雪】