<栄養素を無駄なく摂る食べ方:果物編>

イチジクはアラビア半島南部が原産と言われるクワ科の果実です。古代エジプトの壁画に描かれているほど長い歴史があり、日本には江戸時代に中国から伝わりました。

果皮の色は白、黄色、緑、赤、赤紫、黒紫などがあり、品種によって味や食感が違います。花托(かたく)の内側に花が咲くため、花は見えずに実がなることから、漢字では「無花果」と記されます。食べる部分は正確には実ではなく、花軸が肥大化したものです。

色のある品種は軸の近くまで色づき、果皮にハリがあってふっくらと丸く、少し弾力を感じるものが良品です。果頂部(お尻)が少し開いているものが食べ頃ですが、裂果しにくい品種もあります。イチジクは切ると白い樹液を出すため、切り口に白い液体が付いているものは新鮮です。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ビタミンB6、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、食物繊維などが多く、ポリフェノールをはじめとするファイトケミカル(フィトケミカル)も含まれています。更年期の症状予防によいと言われる植物性エストロゲンも含まれてはいますが、量はあまり多くありません。

タンパク質、脂質、炭水化物の分解酵素を含むため、食事の際に一緒に食べると胃腸の働きを助けます。皮ごと食べた方が栄養素を無駄なく摂取できますが、気になる場合は軸の付け根からむくとスムーズです。かたいものは湯むきをすると良いでしょう。

ドライは栄養素が凝縮されるため、食物繊維、ミネラルの含有量が多くなりますが、エネルギーも高くなるので食べ過ぎには注意しましょう。

ドライイチジク

クリームなど、乳製品との相性も良いです。タンパク質分解酵素の影響で、生のままゼラチンを使ったゼリーに入れると固まりません。また、ドライをパンに混ぜて焼く場合も、早い段階で練り込むとグルテンの形成が不十分になり、膨らまなくなります。焼く直前に混ぜましょう。

クリームチーズと合わせた「イチジクのオードブル風」

実は無花果(むかか)、葉は無花果葉(むかかよう)という名で、生薬としても使われています。清熱解毒、潤腸の効能があり、声がれや便秘、痔などに効果があります。

期待される健康効果は、風邪予防、消化促進、便秘予防、ガン予防、生活習慣病予防、貧血予防、骨粗しょう症予防、美肌効果などです。

保存するなら
傷みやすいので、できるだけ早く食べた方が良いですが、保存する場合は1つずつキッチンペーパーなどに包み、イチジク同士がぶつからないようにポリ袋に入れて野菜室で保存します。

冷凍する場合は丸のまま、または食べやすくカットしてラップでぴったりと包み、保存袋に入れて冷凍します。全解凍せず、半解凍で利用します。

ペクチンが多いのでジャムにも向いています。コンポート(シロップ煮)にしても使い勝手が良いです。

【管理栄養士・高木小雪】