油分の多い食品に注意、外す際はやけどにも

ではポリ塩化ビニリデン製ラップを使えば良いのかというと、使い方によっては耐熱温度を超える可能性もあるといいます。コロッケや唐揚げなど油分の多い食品を直接包んで加熱すると、耐熱高温を超えてしまってラップが破けたり、溶けたりすることがあるのです。油分の多い食品は底の深い耐熱容器に入れて、ラップと触れないようにするよう注意が必要です。

また、容器からラップを外す際も蒸気でやけどするおそれがあるので、手前からではなく、向こう側から手前に引くようにするのがポイントです。なお、ラップはどの素材であってもオーブンやグリルでは使えません。

ラップが溶けたら悪いものが発生するのか

レンジで温めたところラップが溶けてしまい、食べ物に溶けたラップがついたり、うっかり口にしてしまったりしたことはありませんか。「ラップは化学物質が使われているから体に悪い…」と思っている方、安心してください。溶けたラップに毒性はありません。体内に入った溶けたラップは消化・吸収されず、便と一緒に体から排出されます。

ラップの安全性は食品衛生法に基づき、材質や溶出の規格基準が定められています。材質試験や溶出試験など、数々の安全性の試験に合格した上で商品化・販売されているので、万一食べてしまったとしても問題ないということです。

耐冷性は十分、気を付けたいのは保存の仕方

では、耐冷性はどうなのでしょうか。3種類とも耐冷温度はマイナス60度なので、家庭用冷蔵庫を使う分には問題ありません。気を付けたいのは保存方法です。

買ってきた肉をトレーのまま、冷凍庫に入れている方はいませんか。スーパーなどで売られているトレーにのった肉や魚に使われているラップは、よく伸びてトレーにもくっつきやすいポリ塩化ビニル製が多いですが、酸素や水分を通しやすいのであくまでも一時保存向き。トレーごと冷凍すると、凍るまでの時間もかかりますし、解凍もしづらくなります。

購入後はトレーから出してポリ塩化ビニリデン製ラップでぴったり包み、冷凍保存するのがベター。ジッパー付き密閉袋の中に入れると、より鮮度を保ったまま保存できますよ。

ラップ選びのポイントとしては、このほか切れ味、触り心地、使いやすさなどの好みもあると思います。もし、何となく選んでいたのなら、素材別の特徴があるということを理解するとより安心安全に使えますね。ご家庭の食品の保存方法を振り返ってみて、選ぶ際の参考にしてくださいね。

【アスレシピ編集部】